記者発表 2007年2月6日

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国立環境研究所の研究情報誌「環境儀」第23号「地球規模の海洋汚染−観測と実態」の刊行について
(お知らせ:環境省記者クラブ、筑波研究学園都市記者会同時発表)

平 成 1 9 年 2月 6日(火)
独立行政法人国立環境研究所
企画部長  : 加藤  正男 (029-850-2302)
環境情報センター長  : 山本  秀正 (029-850-2340)
情報企画室長  : 遠藤  裕一 (029-850-2341)
広報・国際室長  : 佐藤  邦子 (029-850-2304)


要  旨

国立環境研究所の研究成果を国民各層に分かりやすく伝える研究情報誌「環境儀」第23号「地球規模の海洋汚染−観測と実態」が刊行されました。

海洋汚染は地球規模の問題であり、研究面でも早急な対応が求められています。

海洋汚染に関するこれまでの調査では海域や時期が限られていましたが、国立環境研究所では、同一航路を何度も往復する民間商船に観測装置を搭載し、高頻度の調査を行うことで、初めて地球規模の海洋汚染の実態を解明することに成功しました。

今回の環境儀では、民間商船を活用した海洋汚染研究の10年以上にわたる歩みと研究成果について、研究者の考え方や経験にフォーカスをあてながら、わかりやすくお伝えします。

1  第23号の内容

「環境儀」第23号「地球規模の海洋汚染−観測と実態」

第23号では、フェリーを利用した海水の連続採取、想定外の結果を得た日本-オーストラリア間の海洋汚染観測、南極・北極での有害化学物質検出などについて、実際にプロジェクトを推進してきた研究者が自ら紹介しています。また、10年間に及ぶ海洋汚染観測機材改良の工夫や苦労、世界の海を回る中で巡り会った人々とのつながり、民間の方々との協力実現による新展開等々についてもご紹介しています。

内容は、

(1) 研究担当者へのインタビュー
  正行(くぬぎまさゆき)
化学環境研究領域動態化学研究室  主任研究員

(2) 「商船(篤志観測船)を用いた有機汚染物質による地球規模海洋汚染観測」の概要

(3) 有害化学物質による海洋汚染の研究動向

のほか、

『改良を重ねた観測装置の変遷』、『商船(篤志観測船)での海水捕集』、『南極観測がきっかけで絵本が誕生』などについてのコラム等


2  閲覧・入手についての問い合わせ先

●  「環境儀」は、研究所のホームページで閲覧することができます。
http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/

●  冊子の入手については、下記へお問い合わせ下さい。
連絡先:国立環境研究所環境情報センター情報企画室出版普及係
(TEL: 029-850-2343、E-mail:pub@nies.go.jp)



(参考)これまで「環境儀」で取り上げたテーマ

22  :   「微小粒子の健康影響―アレルギーと循環機能」
21  :   「中国の都市大気汚染と健康影響」
20  :   「地球環境保全に向けた国際合意をめざして― 温暖化対策における社会科学的アプローチ」
19  :   「最先端の気候モデルで予測する『地球温暖化』」
18  :   「外来生物による生物多様性への影響を探る」
17  :   「有機スズと生殖異常−海産巻貝に及ぼす内分泌かく乱化学物質の影響」
16  :   「長江流域で検証する『流域圏環境管理』のあり方」
15  :   「干潟の生態系−その機能評価と類型化」
14  :   「マテリアルフロー分析−モノの流れから循環型社会・経済を考える」
13  :   「難分解性溶存有機物−湖沼環境研究の新展開」
12  :   「東アジアの広域大気汚染−国境を越える酸性雨」
11  :   「持続可能な交通への道−環境負荷の少ない乗り物の普及をめざして」
10  :   「オゾン層変動の機構解明−宇宙から探る  地球の大気を探る」
9  :   「湖沼のエコシステム−持続可能な利用と保全をめざして」
8  :   「黄砂研究最前線−科学的観測手法で黄砂の流れを遡る」
7  :   「バイオエコ・エンジニアリング−開発途上国の水環境改善をめざして」
6  :   「海の呼吸−北太平洋海洋表層のCO2吸収に関する研究」
5  :   「VOC−揮発性有機化合物による都市大気汚染」
4  :   「熱帯林−持続可能な森林管理をめざして」
3  :   「干潟・浅海域−生物による水質浄化に関する研究」
2  :   「地球温暖化の影響と対策−AIM:アジア太平洋地域における温暖化対策統合評価モデル」
 :   「環境中の『ホルモン様化学物質』の生殖・発生影響に関する研究」