「地球観測連携拠点(温暖化分野)」の整備及び「地球温暖化観測推進事務局/環境省・気象庁」の開所記念セミナーの開催について
平成18年9月15日 環 境 省 気 象 庁 (独)国立環境研究所 |
環境省と気象庁は共同で、平成18年度より、「地球観測連携拠点(温暖化分野)」の整備を進めています。同連携拠点の活動を推進するため両省庁は「地球温暖化観測推進事務局」を(独)国立環境研究所地球環境研究センター内に設置し、事務局業務を開始しました。今般、これを記念して、開所式と記念セミナー「地球温暖化観測の展望−連携拠点に期待するもの−」を開催します。
1 「地球観測連携拠点(温暖化分野)」とは
(背景と役割については別紙1参照)
「地球観測連携拠点(温暖化分野)」(以下、「連携拠点」)は、地球温暖化対策に必要な観測を、統合的・効率的なものとすることを主な目的としています。そのため連携拠点では、「地球観測に関する関係府省・機関連絡会議(温暖化分野)」において、地球温暖化監視・予測のために必要な観測ニーズを踏まえた、関係機関による観測の実施計画をとりまとめるとともに、観測施設の共同利用、観測データの流通促進などを通じて、関係府省・機関間の観測の連携を推進します。
今般設置された地球温暖化観測推進事務局では、これらの検討に必要な、観測ニーズ、観測計画、データ流通の促進や観測施設の相互利用等の調査を行うとともに、会議開催支援、広報などの面で連携拠点の活動を支えます。
本連携拠点の活動により、効率的な観測の実施、観測システムの持続的な運用、包括的な観測データの収集、データ利用の利便性向上等が図られ、地球温暖化対策に資する地球観測データが、より効率的かつ効果的にユーザーに提供されます。これにより、地球温暖化の直接・間接の影響を早期に把握・予測することが可能となります。
2 記念行事(別紙2参照)
事務局業務の開始を記念して、記念セミナー「地球温暖化観測の展望−連携拠点に期待するもの−」(環境省、気象庁、(独)国立環境研究所の共催)及び事務局開所式(ともに公開)を、平成18年9月19日(火)14時から、(独)国立環境研究所において開催します。
(本件に関する問い合わせ先) |
環境省地球環境局研究調査室 |
Tel : 03-3581-3351(内線6731) |
気象庁地球環境・海洋部地球環境業務課 |
Tel : 03-3212-8341(内線5106) |
(独)国立環境研究所地球環境研究センター |
Tel : 029-850-2384(直通) |
(別紙1)
地球観測連携拠点(温暖化分野)について
1 背景と経緯
地球温暖化等、深刻さを増す地球環境問題に適切に対処するためには、地球規模の観測を行い、地球の現状を理解するための基礎データを得ることが重要である。国際的には、第3回地球観測サミット(平成17年2月)において、全球地球観測システム(GEOSS)構築のための「10年実施計画」が決定されるなど、地球観測の推進に向けた積極的な協力が進められている。
このような国際的な動向に対応して、第42回総合科学技術会議(平成16年12月)で、利用ニーズ主導の統合された地球観測システムの構築などを基本戦略とする、「地球観測の推進戦略」が取りまとめられるとともに、地球観測全般の推進に関する審議機関として、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会のもとに地球観測推進部会が設置された。「地球観測の推進戦略」においては、地球温暖化等15分野(地球温暖化分野のほか、地球規模水循環分野など)について、地球観測の統合的・効率的な実施を図るため、関係府省・機関の連携を強化する推進母体として、連携拠点の設置が提言された。
地球環境問題の中でも特に重要な地球温暖化分野の連携拠点については、気象庁・環境省が共同で運営することとし、平成18年度から活動を開始することとなった。
2 「地球観測連携拠点(温暖化分野)」の役割と期待される成果
連携拠点は、下図で示すように「地球観測に関する関係府省・機関連絡会議(温暖化分野)」、同会議に科学的助言を行う「地球観測推進委員会(温暖化分野)」、「地球温暖化観測推進事務局/環境省・気象庁」等で構成される。連携拠点の役割は、地球温暖化分野における地球観測へのニーズ等の集約、実施計画の作成、計画実施状況の管理・報告、データ流通の促進、観測プラットフォームなどの相互利用等の施策取りまとめ、成果の普及・啓発を促進する広報等である。連携拠点が整備されることにより、地球温暖化に関する包括的な観測データの収集、関係府省・機関の人材や設備等の有効活用、長期継続的な観測の実現、データの利便性の向上等の成果が期待される。

地球観測連携拠点(温暖化分野)の構成
(別紙2)
「地球温暖化観測推進事務局/環境省・気象庁」設立記念行事
1 記念セミナー
テーマ: | 「地球温暖化観測の展望−連携拠点に期待するもの−」 |
共 催: | 環境省・気象庁・(独)国立環境研究所 |
日 時: | 平成18年9月19日(火) 14時〜16時30分 |
場 所: | (独)国立環境研究所 大山記念ホール(つくば市小野川16-2) |
趣 旨: | 地球温暖化観測(業務、モニタリング、研究の各分野)及び地球温暖化モデル研究の方面の専門家から、各分野の活動の今後の展望と連携拠点への期待について講演をいただく。 |
参 加: | 一般に公開(事前参加申込不要、参加費無料) |
セミナー次第
挨拶 (独)国立環境研究所 地球環境研究センター長 笹野泰弘
講演 | 司会:地球温暖化観測推進事務局長 藤谷徳之助 |
1) 気象庁における地球温暖化に関わる観測と温室効果ガス分野での国際協力 | |
佐々木秀行(気象庁地球環境・海洋部環境気象管理官) | |
2) 国立環境研究所におけるモニタリング観測 | |
町田敏暢((独)国立環境研究所地球環境研究センター 大気・海洋モニタリング推進室長) | |
3) 宇宙からの地球温暖化観測の最前線 | |
堀川 康((独)宇宙航空研究開発機構理事) | |
4) 地球温暖化観測に期待する(モデル研究の視点から) | |
木本昌秀(東京大学気候システム研究センター教授) | |
5) 気候変動問題へのGEOSSの貢献 | |
小池俊雄(東京大学大学院工学系研究科教授) |
2 事務局開所式
日 時:平成18年9月19日(火) 16時30分〜17時30分
場 所:(独)国立環境研究所 大山記念ホール(一般にも公開)
式次第
挨 拶:国立環境研究所理事長
祝 辞:環境省 気象庁 文部科学省 地球観測推進部会関係者
キーノートスピーチ:「連携拠点の活動にかかる地球観測の戦略的推進」
市川惇信(東京工業大学名誉教授)
テープカット(関係者のみ、取材可)