平成17年8月4日(木)
独立行政法人国立環境研究所
主任研究企画官: |
松村 隆 |
(029-850-2310) |
環境情報センター長: |
岩田 元一 |
(029-850-2340) |
担当:企画・広報室 |
中野 正博 |
(029-850-2453) |
情報企画室 |
坂下 和恵 |
(029-850-2341) |
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国立環境研究所では、当研究所の研究成果を国民各層に分かりやすく伝えるため、研究情報誌「環境儀」を発行していますが、このたび第17号を刊行しました。
第17号で取り上げた「有機スズと生殖異常」では、国立環境研究所の研究から生まれた「性ホルモンによらない雄性化」という仮説の紹介を中心に、巻き貝に及ぼす「有機スズ」の
内分泌かく乱作用について、自然界における影響を明らかにするための個体群を対象とするフィールド研究と、なぜそのようなことが起こるのかを明らかにするための実験室における雄性化
のメカニズム研究の最新動向を紹介しています。
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1.第17号の内容
第17号では、「有機スズ化合物による巻貝の生殖異常」に関する研究について、国立環境研究所が、「内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理研究プロジェクト」
の中で取り組んできた研究成果を紹介しています。
具体的には、イボニシやアワビの研究結果から、「巻貝の雄性化」が、これまで考えられていた性ホルモンの生成・阻害のような一つのメカニズムではなく、
レチノイドX受容体(RXR)というヒトもイボシシも持つ核内受容体を介して複数のメカニズムが関係し合った一連の反応によって起こる、という新しい仮説(成果)を紹介しています。
そして、その仮説から、巻貝特有の話と考えられている雄性化の現象が「ヒトは全く関係ない」と本当にいえるのか、改めて検証の必要性があるのではないか、という疑問が投げかけられています。
内容としては、
- 研究担当者へのインタビュー
(堀口 敏宏 内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理研究プロジェクト 生態影響研究チーム 総合研究官)
- 「有機スズ汚染がイボニシに及ぼす影響の実態とメカニズムの解明」の研究から
- 「内分泌かく乱化学物質問題−着実に進む研究」
- 「内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理研究プロジェクト」の全体構成
のほか、「イボニシとインポセックス」、「代表的なホルモンの構造と作用メカニズム」についての説明等で構成されています。 なお、わかりやすい出版物とするため、これまでと同様、所内での検討に加え、外部の科学関連出版の専門家にリライトを依頼しました。
2.閲覧・入手についての問い合わせ先
● 「環境儀」は、研究所のホームページで閲覧することができます。
ホームページアドレス http://www.nies.go.jp/
● 冊子の入手については、下記へお問い合わせ下さい。
連絡先:国立環境研究所環境情報センター情報企画室出版普及係
(TEL: 029-850-2343 E-mail:pub@nies.go.jp)
● 「国立環境研究所友の会」の会員の方には、友の会事務局を通じて継続的に送付いたします。
(友の会ホームページ http://tomonokai.eic.or.jp/)
(参考)これまで「環境儀」で取り上げたテーマ |
第16号 |
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「長江流域で検証する 『流域圏環境管理』のあり方」 |
第15号 |
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「干潟の生態系−その機能評価と類型化」 |
第14号
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「マテリアルフロー分析−モノの流れから循環型社会・経済を考える」 |
第13号
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「難分解性溶存有機物−湖沼環境研究の新展開」 |
第12号
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「東アジアの広域大気汚染−国境を越える酸性雨」 |
第11号
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「持続可能な交通への道−環境負荷の少ない乗り物の普及をめざして」 |
第10号 |
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「オゾン層変動の機構解明−宇宙から探る 地球の大気を探る」 |
第9号
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「湖沼のエコシステム−持続可能な利用と保全をめざして」 |
第8号
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「黄砂研究最前線−科学的観測手法で黄砂の流れを遡る」 |
第7号
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「バイオ・エコエンジニアリング−開発途上国の水環境改善をめざして」 |
第6号
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「海の呼吸−北太平洋海洋表層のCO2吸収に関する研究」 |
第5号
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「VOC−揮発性有機化合物による都市大気汚染」 |
第4号
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「熱帯林−持続可能な森林管理をめざして」 |
第3号
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「干潟・浅海域−生物による水質浄化に関する研究」 |
第2号
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「地球温暖化の影響と対策−AIM:アジア太平洋地域における
温暖化対策統合評価モデル」 |
創刊号
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「環境中の『ホルモン様化学物質』の生殖・発生影響に関する研究」 |
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