国立環境研究所の研究情報誌「環境儀」第14号
「マテリアルフロー分析 モノの流れから循環型社会・経済を考える」の刊行について

(お知らせ:環境省記者クラブ、筑波研究学園都市記者会同時発表)

添付ファイル
環境儀第14号 html版  pdf版(3.09MB)


平成16年11月5日(金)
独立行政法人国立環境研究所
主任研究企画官: 松村 隆 (029-850-2310)
環境情報センター長: 岩田 元一 (029-850-2340)
担当:企画・広報室 松本 公男 (029-850-2453)
情報企画室 坂下 和恵 (029-850-2341)



 国立環境研究所では、当研究所の研究成果を国民各層に分かりやすく伝えるため、研究情報誌「環境儀」を発行していますが、このたび第14号を刊行しました。

 第14号で取り上げた「マテルアルフロー分析」は、モノの流れを把握することによって、資源の消費や環境への負荷と生産・消費活動との関わりの全体像を明らかにしようとする手法です。 投入された資源がさまざまな活動を経て環境中に放出されたり、社会で蓄積されたりする様子を明らかにし、また、産業活動から排出される廃棄物と家庭で使うモノとの関係を明らかにする等の研究成果を中心に紹介しています。


1.第14号の内容

 第14号では、日本全体でのマテリアルフロー(モノの流れ)を明らかにした研究成果を紹介しています。 日本では年間に国内資源約12.5億トン、輸入資源約7.5億トンが利用され、他方、廃棄物として約4.5億トンが排出されるとともに、二酸化炭素が約13億トン排出されます。 マテリアルフロー分析の研究は、こうした物質循環の様子を把握し、それが経済活動とどのように関わっているかを明らかにするもので、循環型社会に向けた数値目標づくりにも活用されました。 さまざまな産業間の関係・構造を明らかにする「産業連関表」と「マテリアルフロー分析」を組み合わせた分析では、家庭から直接排出される廃棄物以外に、産業活動から排出される廃棄物約4億トンのうち、 1億トン以上が家庭で使うモノやサービスを生産するために発生していることが明らかになりました。 本号では、他にも「マテリアルフロー分析」を利用して循環型社会・経済を考える研究の取組み、成果を紹介しています。

 内容としては、

  1. 研究担当者へのインタビュー
    (森口 祐一 社会環境システム研究領域 資源管理研究室長
    (併任)循環型社会形成推進・廃棄物研究センター循環型社会形成システム研究室長)
  2. 「循環型社会形成推進・廃棄物管理に関する調査・研究(マテリアルフロー分析手法に関する成果)」の概要
  3. 国際的に期待されるマテリアルフロー研究をめぐって
  4. 「環境と経済の統合に向けたマテリアルフロー研究」のあゆみ
    のほか、「産業連関表」の読みとり方、廃棄物、リサイクルに関する用語メモ、 「循環型社会形成推進・廃棄物研究センター」についてのトピック等で構成されています。
    なお、わかりやすい出版物とするため、これまでと同様、所内での検討に加え、外部の科学関連出版の専門家にリライトを依頼しました。
 

2.閲覧・入手についての問い合わせ先

 ● 「環境儀」は、研究所のホームページで閲覧することができます。
     ホームページアドレス  http://www.nies.go.jp/index-j.html

 ● 冊子の入手については、下記へお問い合わせ下さい。
   連絡先:国立環境研究所環境情報センター情報企画室出版普及係
       (TEL: 029-850-2343   E-mail:pub@nies.go.jp)

 ● 「国立環境研究所友の会」の会員の方には、友の会事務局を通じて継続的に送付いたします。
     (友の会ホームページ http://tomonokai.eic.or.jp/

(参考)これまで「環境儀」で取り上げたテーマ
創刊号
  環境中の「ホルモン様化学物質」の生殖・発生影響
第2号
  アジア太平洋における温暖化対策統合評価モデル(AIM)
第3号
  干潟・浅海域−生物による水質浄化に関する研究
第4号
  熱帯林−持続可能な森林管理をめざして
第5号
  VOC−揮発性有機化合物による都市大気汚染
第6号
  海の呼吸−北太平洋海洋表層のCO2吸収に関する研究
第7号
  バイオ・エコエンジニアリング−開発途上国の水環境改善をめざして
第8号
  黄砂研究最前線−科学的観測手法で黄砂の流れを遡る
第9号
  湖沼のエコシステム−持続可能な利用と保全をめざして
第10号
  オゾン層変動の機構解明−宇宙から探る 地球の大気を探る
第11号
  持続可能な交通への道 環境負荷の少ない乗り物の普及をめざして
第12号
  東アジアの広域大気汚染−国境を越える酸性雨
第13号
  難分解性溶存有機物−湖沼環境研究の新展開