インターネットで見る大気汚染・水質汚濁30年の推移
−全国各地の状況が「環境GIS」のページからご覧になれます−
(環境省記者クラブ及び筑波記者会同時配布)
平成16年6月22日
独立行政法人国立環境研究所
環境情報センター長 岩田 元一 (029-850-2340)
担当 情報整備室長 白井 邦彦 (029-850-2342)


環境データ専門官 長谷川学 (029-850-2342)


  国立環境研究所では、研究所ウェブサイトの中の「環境GIS」のページで、全国の大気や水質の最近数年間の測定結果を地図やグラフの形で解りやすく公開してきたことろです。
  今般、過去24年分の大気・水質測定データを追加し、全国の継続測定地点の30年以上にわたる経年変化をグラフで見ることができるようにしました。また、併せて日本周辺海域の海洋環境(水質や底質に含まれる汚染物質の濃度等)の26年間の調査データについても、環境GISの新たなページとして、調査地点の地図や26年間の経年変化グラフ等を見ることができるページを作成しました。
これらの新規ページは、6月23日及び30日に開催される公開シンポジウム「国立環境研究所の30年−天・地・人と向き合って−」に合わせて、6月23日から公開を開始します。

1 全国の大気・水質の長期経年変化(1970〜2002)を見るページ

独立行政法人国立環境研究所では、研究所ウェブサイトの「環境国勢データ地理情報システム(環境GIS)」のページから、本研究所、環境省等が保有する全国の大気や水質等の測定データ等を地図やグラフにして公開しています。今回新たに、全国約2,000か所の大気測定局で昭和45年(1970)から継続測定されている大気汚染物質等(SO2, NO2, SPM等)と全国約5,000か所の水質調査地点で昭和46年(1971)から継続測定されている水質調査項目(pH, BOD/COD等)のデータについて、約30年間の経年変化をグラフで見ることができるページを作成しました。これにより、例えば、三大都市圏(工業地帯)のSO2による大気汚染や東京湾・多摩川の水質汚濁の改善が進んでいる一方、東京都心のNO2による大気汚染や手賀沼等の水質汚濁については大きな改善が見られないといった状況を確認することができます。 なお、本ページでは、環境教育にも資するよう、全国の調査地点のうち、「四大公害」など過去に問題となった代表的な約10か所について、写真やグラフによる解説のページを設けています。


2 日本周辺の海洋環境の状況(1975〜2000年)を見るページ

環境省が昭和50年(1975)より実施してきた「日本近海海洋汚染実態調査」及び同調査の内容を拡充させ現在調査継続中の「海洋環境モニタリング調査」に基づく日本周辺海域の海洋環境調査(水質・底質に含まれる汚染物質の濃度等)について、環境GISの新たなページとして、「日本周辺海域における海洋環境の状況」のページを作成し、調査地点の地図、汚染物質等の測定データ、各調査地点の26年間の測定濃度の経年変化グラフ等を見ることができるようにしました。 なお、上記1も含め、これらの全てのデータは本ページからダウンロードが可能で、研究目的等にも利用が期待されます。

3 環境GISのURL(アドレス):http://www-gis.nies.go.jp/

 

4 今回追加した情報に係る公開開始日:平成16年6月23日(水)

 

5 今回追加公開する内容

(1)全国の大気・・水質の長期経年変化を見るページ
グラフ表示項目 全国約2,000か所の測定局の大気常時監視測定結果データ(年間値) NO2(二酸化窒素)
SO2(二酸化硫黄)
Ox(光化学)オキシダント
SPM(浮遊粒子状物質)
CO(一酸化炭素)
全国約8,000か所(ただし30年継続調査地点は約5,000か所)の公共用水域水質測定結果データ
(年間値)
pH(水素イオン濃度)
DO(溶存酸素量)
BOD(生物化学的酸素要求量)
COD(化学的酸素要求量)
全窒素、全リン カドミウム、PCB、鉛、ヒ素、総水銀
主な機能 ・測定地点を1/2.5万地形図のレベルまで拡大表示でき、例えば自分の家に近い調査地点の経年変化グラフを表示・確認できる。
・比較したい地点を10か所まで選んで、経年変化グラフを表示できる。
・表示したデータをダウンロードできる。

(2)日本周辺の海洋環境の状況を見るページ

グラフ表示項目 環境省の「日本近海海洋汚染実態調査・海洋環境モニタリング調査」に基づく日本周辺海域の海洋環境データ 溶存酸素量(DO)
栄養塩類(窒素,リン等)
クロロフィルa
重金属類(カドミウム、水銀等)
有機塩素化合物(PCB等)
ダイオキシン類など
主な機能 ・データの一覧表示
・データのダウンロード
・年度ごとの測定地点表示
・測定汚染物質ごとの調査地点比較グラフ表示
・測定汚染物質ごとの経年変化グラフ表示

6 主なデータ表示例(別紙参照)