環境観測技術衛星「みどりII」搭載のオゾン層観測センサ
改良型大気周縁赤外分光計II型(ILAS-II)からの初データ取得について

(環境省、筑波研究学園都市、宇宙開発事業団各記者クラブ同時発表)


平成15年2月5日(水)
環境省地球環境局研究調査室
  室長:高橋康夫(内線6730)
  補佐:小野 洋(内線6731)
  主査:奈良 税(内線6733)
独立行政法人国立環境研究所
  成層圏オゾン層変動研究プロジェクト
  プロジェクトリーダー:笹野泰弘(029-850-2444)
  総合研究官:中島英彰(029-850-2800)
  客員研究官:小林博和(029-850-2926)
宇宙開発事業団
  総務部広報室長 米倉 実
  ADEOS-IIプロジェクトマネージャ:黒崎忠明

<要旨>
  今般、昨年12月に打上げられた環境観測技術衛星「みどりII(ADEOS-II)」に搭載された環境省のオゾン層観測センサ(改良型大気周縁赤外分光計II型、通称ILAS-II)からのデータが初めて取得され、解析結果がまとまったので公表する。

 今回公表するデータは、1月23日に機能確認のために測定されたデータを国立環境研究所において処理したものであり、北極グリーンランド付近上空及び南極昭和基地付近上空の高度約15kmから約50kmの範囲における、オゾンをはじめとする大気微量物質濃度の高度分布を表すものである。これらにより、ILAS-IIが予定通りの機能を発揮し、各種大気微量物質濃度の高度分布を正確に把握できることが確認できた。

 ILAS-IIは、オゾン層の破壊に関わる多種類の物質の高度分布を同時に観測するセンサであり、オゾン層破壊に関わるメカニズムの一層の解明が期待される。
今後ILAS-IIで取得されるデータは、内外の第一線の研究者に提供するとともに、今年夏以降の検証実験によりデータの信頼性を確認した後、国立環境研究所より、広く一般に公開される予定。

 なお、詳細については、別添資料のとおり。

資料
 (1) ILAS-II の観測原理(太陽遮蔽法)
 (2) ILAS-II の初期観測データ(オゾン)
 (3) ILAS-II の観測位置
 (4) ILAS-II の観測(位置、オゾンの高度・経度断面)
 (5) ILAS-II のメカニズム観測(位置、オゾンの高度・経度断面)
 (6) ILAS-II サイエンスチーム(参加機関、及び研究課題)