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Mycedium elephantotus (Pallas, 1766)  

ウスカミサンゴ

Meruliniidae Verrill, 1865 サザナミサンゴ科

Mycedium Milne Edwards and Haime, 1851 ウスカミサンゴ属

撮影:梶原健次(西之表市上古田、水深10m)

 

個体は側方を向く。

成長形:被覆状群体。斜面上では群体周縁が葉状に張り出すことが多い。基盤に固着しているのは群体の中心のみで、他の部分は基盤から遊離している。生時でも、個体が突出し、群体周縁を向いている様子がよく分かる。

軟体部の色彩と特徴:緑色〜褐色。赤みを帯びたものや灰色がかったもの、口盤が白くなったものも多い。

骨格の特徴:個体はやや楕円形〜楕円形、長径は5mm〜1cmほどだが、出芽途中または直後の個体はそれよりも大きく、または小さくなる。幼群体では、群体中心に長径が1.5cmほどの中心個体が見られることがある。個体の多くは、群体周縁を向き、基本的には中心個体を囲むように放射状または同心円状に配列する。しかし、群体周縁の葉状部を除けば、規則的な配列を認識しにくい。個体配列はプロコイド型だが、個体の下方では莢壁が共骨と同化しており、そうした配列には見えにくい。群体周縁において、小さな個体では2次隔壁・肋まで、大きなものでは3次隔壁・肋まで発達する。莢壁と共骨は薄く、厚さは0.5mm未満。1次・2次隔壁は厚めでよく突出し、莢心の軸柱まで達する。3次隔壁は薄く、軸柱には達しない。横を向いた個体の1次・2次肋は、同じ個体の内側または隣接する別個体の1次・2次隔壁・肋とそれぞれ連結する。3次肋は、隣接個体の3次隔壁・肋と連結することがあるが、通常は断続的。隔壁・肋の上縁には、先端が尖った小さな鋸歯が発達する。鋸歯には、単一尖端のものや細分尖端のものが見られる。軸柱は楕円形で、長径が3mm近くまでなるが、群体周縁に近い個体ほど発達が悪く不明瞭。群体周縁の表面と裏面では、1次・2次肋と3次肋が規則正しく等間隔で放射状に並ぶ。肋と肋の間の共骨に孔は開かない。

生息環境:波浪の影響の少ない礁斜面や岩礁斜面の水深20m以浅で見られる。開放的な内湾ではより浅所でも見られることがある。

国内での分布:和歌山県串本・長崎県上五島中通島以南。種子島ではたまに見られる。

 

   

西平・Veron (1995)での出現記録:○(Goniastrea australensisとして記録)

 

*生時写真の群体とは別群体(熊本県天草牛深、水深7mで採集)。

 


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