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公開シンポジウム2018-アンケート結果報告-

「環境問題で一番気になるのは何ですか?」

 見出しに掲げたこの質問、このほど神戸と東京で行われた国立環境研究所の公開シンポジウムで、来場者の皆様に投げかけてみました。

 シンポジウムでは、5人の研究者が講演を行ったほか、20のポスター発表も行われ、対話オフィスもポスターを使って活動報告を行いました。

 せっかくの対話の機会を活かして、来場者の皆様が環境に対してどのような関心を持っているかをお聞きするためのアンケートも実施。写真(下)のパネルを用意し、最も気になる環境問題にシールを貼ってもらったのです。

実施したアンケートボードの写真
各会場で実施したアンケートボード。左が神戸、右が東京会場のもの。

 多く関心が寄せられたのはどの問題?その結果は次の通りでした。

<神戸会場> 6月15日(金)

神戸会場のアンケート結果のグラフ

 「大気汚染・水・土壌汚染」に票が多いのは、今回のシンポジウムが水をめぐる環境問題をテーマにしたからでしょうか(公開シンポジウム公式ホームページはこちら)。

<東京会場> 6月22日(金)

東京会場のアンケート結果のグラフ

 東京では「地球温暖化」への関心が高く、次いで「ごみ・廃棄物」に票が多く入りました。

 では、それぞれのテーマについて、具体的に何が、どのように気になっているのか?参加してくださった皆様から、問題意識をお聞きして、付箋に書いて集めました。

 一部をご紹介します。

何が、どう、気になる?皆様のご意見

<地球温暖化>

「地球温暖化はほかのすべての環境問題につながっている」
「温暖化対策を日常生活でどう意識し、行動するか」
「適応に力を入れるより、大元を絶つ方に目を」
「2℃/1.5℃目標と自然現象との関係」

<大気・水・土壌汚染>

「土壌の汚染についてもっと研究してほしい。具体的な指標が必要」
「マイクロプラスティックや浜辺のゴミ問題。海の汚染は人災」
「汚泥の資源としての活用/研究」
「霞ケ浦の汚染。データとかを見ても改善されていないように思う」

<ごみ・廃棄物>

「途上国の金属採掘汚染」
「拡大生産者責任を広げてほしい」
「ごみ・廃棄物はすべての問題につながる。技術を高めて環境負荷を減らすべき」
「ごみ問題は総括して仕切る人が必要。企業へのアピール(取り締まり)が一番大事では」

<災害・復興>

「原子力発電のゴミの処理」
「福島(原発)事故の影響。トリチウム放出のこと」

<生物多様性>

「外来種により在来種が脅かされている」
「環境問題のすべてが生物につながっている」
「外来種は本当にダメなのか。ミツバチなど役に立つものある」

<健康・化学物質>

「魚介中の水銀等の生物濃縮。子供がマグロ好きで心配しています」
「有害性の高い物質を特定する研究を進めてほしい」
「化学物質の毒性についての市民、事業者のコミュニケーション」


 注目したいのは、「地球温暖化」「ごみ・廃棄物」「生物多様性」それぞれに、他の環境問題とのつながりを指摘する声があること。

 環境を巡る問題は、他の分野と切り離せず、環境全般にまたがっているものが多いのが事実。これに関しては、次のような意見もありました。

「センター別でなくテーマごとに研究して分かりやすく取り組んでほしい」

 たしかに当研究所は、生物や資源循環・廃棄物など分野別に研究センターがありますが、課題解決に向けて複数センターが共同で取り組む研究プロジェクトも進行中です。

 ほかにも、当研究所への要望がいくつか挙がっていました。

「国を動かす研究を」
「現場と国、自治体の意識の差が大きい。一般の方の理解力を高める必要もあるのでは」
「温暖化は産業界との軋轢がある。研究者が声を上げて動かしていかないと」


 対話オフィスの活動に関わりそうなご意見も頂きました。

「農業など実際に環境問題に対面している人の声を聞くことも大切では」
「高校とか大学に出前授業をしてみては」
「実生活と結びついた情報提供が大事」


 シールを貼ってもらうことをきっかけに来場者の皆様と対話をしたところ、結果として、環境研究や当研究所に対するご意見を幅広く聞くことができました。

 社会からの声を研究活動に生かすために、色々な方からご意見をお聞きする機会を、当オフィスはこれからも継続して作っていきます。

東京会場の写真
アンケートボードを前に対話が生まれた。東京会場にて。

<掲載日:2018年6月27日>
構成、文、写真:岩崎 茜(対話オフィス)