ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

我が国に蓄積されているストックの質に関する調査・検討(令和 2年度)
Estimation and quality evaluation of material stock in Japan

予算区分
BX 環境-その他
研究課題コード
1820BX003
開始/終了年度
2018~2020年
キーワード(日本語)
物質ストック,ストック型社会,循環型社会基本計画,指標
キーワード(英語)
material stock,stock-based society,Basic Plan for Establishing the Recycling-Based Society,indicator

研究概要

物質ストックとは、社会に滞留し、人々の豊かさを引き出す様々なサービスを提供するもので、耐久消費財や建築物、土木構造物など社会に不可欠なものである。デカップリングの重要性はUNEPや第五次環境基本計画にて、指摘されている通りであるが、それにつながる資源生産性は、循環型社会形成推進基本計画にて既に数値目標が設定されており、毎年度算定が実施されている。資源生産性は「GDP/天然資源等投入量」で表されるが、天然資源等投入量は物質フロー全体が深く関わっている。実際には、物質フローは物質ストックと表裏一体であり、総物質消費量、循環利用量、蓄積純増量、廃棄物発生量等は物質ストックの状況に影響を受けている。資源生産性の向上を目指すためには、関連する物質ストックの状況を知る必要がある。本研究では、我が国に蓄積されている社会インフラ・製品等に含まれる物質のストックを定量的・経年的に推計・評価するため、ストックの要因整理と関連するデータベースの構築を行い、ストックの種類毎の蓄積量、蓄積年数、推移に関する指標や、その利用価値に関する指標を構築する。これらの指標を用いて、物質ストックの量や利用状況等を定量的に評価することによって、ストックを効果的かつ効率的に利用できる「ストック型社会形成」に向けた具体的な施策の在り方を提案する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

資源生産性の向上に資する物質ストックの要因整理、要因のうち資源生産性の向上に資する重要な柱と考えられる物質ストックの物質の入れ替わり、稼働率・利用度、ストックあたりのサービス発生量に関するデータベース整備を行う。これに基づき、循環政策をはじめとする環境政策に資する計測可能な指標についての検討、物質ストック関連指標を定量的かつ経年的に計測するために必要な統計処理手法の確立を行うとともに、環境政策、特に循環型社会形成推進基本計画の推進に必要な情報として、定期的に更新可能な実務ベースの物質ストック指標の把握手法を検討する。また、豊かさと物質ストックとの関係性について環境面、経済面から検討を行う。

今年度の研究概要

耐久消費財を事例とし、物質の入れ替わり、サービス容量、稼働率・利用度の3つの要因についてその時系列的な傾向を分析し、耐久消費財の資源生産性の向上へのそれぞれの要因の寄与を考察する。また、物質ストックの入れ替わりを示す指標のデータベースとして、耐久消費財の平均使用年数データ更新と2Rやシェアリングによる平均使用年数変化、およびそれによる買替需要および物質投入量等への影響を明らかにする。

外部との連携

共同研究機関:名古屋大学(代表)、立命館大学、東京大学

課題代表者

小口 正弘

  • 資源循環領域
    資源循環社会システム研究室
  • 主幹研究員
  • 博士 (工学)
  • 工学,システム工学,化学
portrait