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海底鉱物資源開発における実用的環境影響評価技術に関する研究(平成 31年度)
Study on practical assessment technique for marine environment during seafloor mineral mining

予算区分
AO 所内公募A
研究課題コード
1921AO001
開始/終了年度
2019~2021年
キーワード(日本語)
海底鉱物資源開発,洋上バイオアッセイ,生態毒性試験,溶出実験,環境影響評価
キーワード(英語)
seafloor mineral mining,onboard bioassay,ecotoxicological assay,leaching experiment,environmental impact assessment

研究概要

深海鉱物資源開発海域における環境影響調査技術の開発とその実証を行う。鉱石からの溶出が懸念される複数元素による開発海域の水質汚染を監視・管理するための洋上バイオアッセイ及び現場植物プランクトンを用いたリアルタイム水質監視技術(ファイトアラートシステム)の高度化を図る。また亜鉛、銅、鉛などに加えて、既往の検討例がほとんどない水銀・ヒ素の溶出特性を明らかにし、海域における漏洩事故シナリオに基づく物理・化学動態の検討を行う。これらの技術・知見を統合し、ロバストで実用的な環境影響評価技術を確立する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

開発と環境保全の調和が求められる中、海底鉱物資源開発現場における水質管理手法は未確立である。内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「次世代海洋資源調査技術 - 海のジパング計画」において開発を進めてきた洋上バイオアッセイは、その有望な手法の1つと考えられる。しかし、重金属類の存在形態の評価や“藻類試験株のキット化”等の解決すべき課題が残されており、また水銀・ヒ素の鉱物からの溶出特性についても把握しておく必要がある。こうした課題を解決して、実用的な環境影響評価技術を確立する。H31年度は、これまでの課題を整理した上で、洋上バイオアッセイ系の金属存在形態と阻害影響の精査、リアルタイム水質監視技術の性能評価、鉱石からの水銀・ヒ素溶出試験に着手する。H32年度は、アッセイ系の改良による検出能力の向上、新規試験株の導入、複合影響評価データの整備に着手、水銀・ヒ素の溶出動態の精査を行う。最終年度(H33年度)は、水銀・ヒ素を含むターゲット元素の網羅的な検出が可能な洋上バイオアッセイの確立と藻類試験株のキット化、そして実証試験を行うことで、海底鉱物資源開発現場における実用的な環境影響評価技術としての洋上バイオアッセイ法を確立する。また全期間を通して、プロトコル整備、知財の取得、成果の広報・啓発活動にも取り組む。

今年度の研究概要

洋上バイオアッセイ技術の高度化において、まず既存の海産試験株について、鉛感受性向上のために、化学平衡計算を踏まえて培地や試験方法の改良を行う。また藻類カルチャーコレクションの他の外洋性微細藻株を用いて、重金属類の遅延発光阻害データの拡充を図り、主要金属種に対する検出性能が確保された試験株を選定するとともに、選定株の低温保存耐性試験、L-乾燥保存耐性試験等を行い、アッセイ時に速やかに光合成能が回復する試験株の保存条件や至適処理条件を特定する。リアルタイム水質監視技術に関しては、室内実験ベースで検出性能の定量的評価を行う。
 金属類溶出特性の把握と現場海域における物理・化学動態の解明において、水銀及びヒ素を対象として溶出試験を行い、溶出可能性及び溶出形態を明らかにする。鉱石中の水銀分析については、加熱気化水銀測定装置を、ヒ素については、電気化学分析手法を用いた形態別分析を試みる。
洋上バイオアッセイや溶出試験の結果や溶出試料等を共有して研究開発に取り組むことで、船上や開発現場において、高い再現性が担保される実用的な試験技術の確立を目指すとともに、知財の取得、国際海底機構等の会議等における広報・啓発活動等にも取り組む。

外部との連携

JAMSTEC(海洋研究開発機構)の関係部署と連携して実施。
溶出試験の一部は早稲田大学理工学術院総合研究所に委託して実施。

課題代表者

河地 正伸

  • 生物・生態系環境研究センター
    生物多様性資源保全研究推進室
  • 室長
  • 博士(理学)
  • 生物学
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担当者