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アジアにおける温室効果ガス排出削減の深掘りとその支援による日本への裨益に関する研究(平成 31年度)
Assessment of further reduction of GHG emissions in Asian countries and benefit to Japan by assisting their reduction efforts

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 2-1908
研究課題コード
1921BA004
開始/終了年度
2019~2021年
キーワード(日本語)
統合評価モデル,気候変動,気候変動緩和策,アジア
キーワード(英語)
integrated assessment model,climate change,climate change mitigation,Asia

研究概要

パリ協定の実施に向けて、国際的には低炭素発展戦略の作成、グローバルストックテイクや各国の温室効果ガス(GHG)の排出削減目標(NDC)の見直しなどが求められている。本研究では、中国やインド等の大国に加えて、タイ、インドネシア等のアジアの国々を対象に、GHG排出削減目標の深掘りと経済発展に向けてわが国の技術がどのように貢献するか、アジアでの活動が日本の環境及び経済活動にどのような裨益をもたらすか、さらにはわが国の技術がアジアを通じて2/1.5℃目標の実現にどのように貢献するかについて、対象国が重要と認識する課題にあわせてモジュールの追加を行い、更新したモデルを用いて定量的に明らかにすることを本研究の目的としている。
本研究では、アジアの国々のうち、タイ、インドネシアなど2030年を対象としたNDCが自国の取り組みと国際支援による目標に分かれている国を中心に、各国における削減ポテンシャルや経済的な波及効果について、国別のスナップショットツール、技術選択モデル、応用一般均衡モデルを用いて定量的に明らかにする。また、世界モデルから示される2/1.5℃目標を実現する排出経路に対応する各国の2050年に向けた削減についても明らかにする。また、2/1.5℃目標を実現する上で鍵となる中国やインドなど国別GHG排出量が世界上位の国のほか、アジアの国々の多様さを評価するため、小国であっても可能な限り同様の分析を試みる。一方、国際的な支援を日本が行う場合、日本からの省エネ製品やインフラの輸出に加えて、各国で実現するGHG排出削減量をクレジットとして活用することも期待され、これらが日本の経済及び環境改善にもたらす裨益を、日本を対象とした応用一般均衡モデルを用いて明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

初年度:これまで開発してきた技術選択モデル、スナップショットツールや応用一般均衡モデルについて、対象国の課題や状況にあわせて改良するために必要なデータ収集や将来シナリオ構築のための情報収集を行う。また、各モデルを改良し、改良したモデルをもとに2030年を対象としたNDCの評価や、世界モデルから得られる2/1.5℃目標を達成する2050年の排出削減目標に対する予備的な試算を行う。
2年度:改良したモデルと技術情報をもとに、2030年のNDCの深掘りに関する本格的な分析を行い、各国における2030年を対象としたNDCの深掘りに必要な技術やその波及効果等について明らかにする。あわせて、2030年の日本における取り組みの効果、日本への影響についても明らかにする。
3年度:2050年を対象に、各国における低炭素発展戦略に対応する社会経済及び排出シナリオを定量的に明らかにする。各国における経済発展の状況も踏まえ、2050年のGHG排出削減目標達成の観点から、2030年のNDCの更なる深掘りについての検討も行う。

今年度の研究概要

みずほ情報総研(サブテーマ2)が各国の専門家と共同で収集する将来シナリオや対策技術に関する情報をもとに、エネルギーサービス需要を含む将来シナリオの作成を行う。また、これまでに開発してきた対象国におけるスナップショットツールや応用一般均衡モデルに対して、廃棄物処理などの新たなモジュールの開発を含めたモデルの改良を行い、収集したデータや京都大学(サブテーマ3)から示される2℃目標を実現する排出量を前提とした予備的な試算を行う。

外部との連携

みずほ情報総研、京都大学、立命館大学との共同研究である。
また、中国、インド、タイ、インドネシア等の各機関とも連携して研究を行う。

課題代表者

増井 利彦

  • 社会システム領域
  • 領域長
  • 博士(工学)
  • システム工学,土木工学,経済学
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担当者