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マルチスケール二酸化炭素逆解析のための長期4次元変分法システムの開発(平成 31年度)
Development of a long-term 4D-Var system for multi-scale flux inversion of CO2

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1921CD008
開始/終了年度
2019~2021年
キーワード(日本語)
二酸化炭素,逆解析
キーワード(英語)
carbon dioxide, inverse analysis

研究概要

炭素循環には未解明なメカニズムが多く存在し、温暖化予測に大きな不確定性が生じている。そこで本研究では、大気の二酸化炭素(CO2)濃度観測データから、大気と陸域・海洋間のCO2フラックスを定量的に推定する逆解析という手法を用いることにより、炭素循環メカニズムの理解深化を図る。逆解析では、高解像度のフラックス推定が可能な4次元変分法(4D-Var)を用いる。長期の解析期間には様々な時間スケールのフラックス変動が存在するが、それぞれのスケールを同時に最適に推定する手法はまだ確立されていない。本研究では、4D-Var計算において短期(数時間)から長期(数年)のスケールまで幅広くカバーすることのできるマルチスケール最適化手法を、全球CO2逆解析システムNICAM-TM 4D-Varをベースとして開発する。特に観測が充実している地域においては、陸域生態系の呼吸や光合成といったグロスのフラックス量を独立に推定できるよう、日変化まで解像することを目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

研究では、申請者が開発した逆解析システムNICAM-TM 4D-Var(業績リスト12, 13)をもとにして研究開発を行う。気象・海洋分野では、既にさまざまな4D-Varに付随する技術開発が行われており、マルチスケールに関する研究例も数例存在する(マルチグリッド法など)。しかし、これらは短い同化ウィンドウにおいての空間方向に広がるスケールに対応するものである。本研究では、これらの技術をCO2逆解析に新たに取り入れるとともに、時間方向に拡張し、長期同化ウィンドウに対応する技術開発を行う。さらに、逆解析において重要な要素である誤差共分散行列について、スケール間で異なる誤差相関を考慮するなどマルチスケールに対応する設計手法を新たに開発し導入する。 ここで、NICAM-TM 4D-Varが、他のシステムと比べて、誤差共分散行列の設計にフレキシビリティがあるという特性を活かす。また、解析対象のフラックスの階層化などを図る。最後に長期のCO2逆解析を実施し、逆解析とは独立のデータとの比較を通して、逆解析の信頼性を評価するとともに、新たに開発・導入した手法の優位性を検証する。

今年度の研究概要

通常の4次元変分法計算において、どのスケールのフラックスが選択的に最適化されているかを調査する。
逆解析システムにマルチグリッド法などの手法を実装する。

課題代表者

丹羽 洋介

  • 地球環境研究センター
    物質循環モデリング・解析研究室
  • 主任研究員
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