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ホタルとサシバを呼び戻す!谷津の湿地再生(平成 31年度)
Collaborative restoration of abandoned agricultural field

予算区分
ZZ 個別名を記載 アースウォッチジャパン野外調査プログラム
研究課題コード
2022ZZ001
開始/終了年度
2020~2022年
キーワード(日本語)
市民科学,生態系サービス,生物多様性,湿地
キーワード(英語)
citizen science, ecosystem services, biodiversity, wetland

研究概要

耕作放棄水田に造成した湿地の生態系が持つ機能を、動植物への生息・生育場所、雨水貯留能力、水質浄化能力の観点から明らかにする。また植生や湧水・流水環境の指標であるホタル類(ゲンジボタル、ヘイケボタル)、湿地の動物量や樹林を含む周辺環境の指標となる猛禽類であるサシバに着目し、これらの生物の回復と生態系機能の関係を明らかにする。さらに湿地の保全・再生にかかわっている地域住民との交流や、活動とあわせた研究者との意見交換を通し、未来の里山管理における都市—農村連携について理解を深める。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

調査地:千葉県富里市内の、研究者とNPO富里のホタルが再湿地化の取り組みを実施している富里市の耕作放棄水田を対象とする。2019年秋に研究者による試験的な調査を行い、2020〜2022年に年間を通した参加型研究を実施する。
湿地の生物多様性と生態系機能(治水機能および水質浄化機能)を総合的に評価することを目指す。評価に当たっては、特に指標生物に着目した検討を重視する。すなわち、適度な植生密度、豊富な湧水、アメリカザリガニなどの外来種が少ない環境を指標するホタル類と、湿地内のカエルなどの動物の総量や、樹林と湿地との連続性を指標するサシバに注目する。これにより、耕作放棄水田の再湿地化の成功度を「ホタルとサシバに教えてもらう」プログラムとする。

今年度の研究概要

1)植物調査:対象湿地内の踏査による植物相調査、コドラートを用いた植生調査(春と秋を予定)。
2)昆虫調査:タモ網を用いた水生昆虫相・密度調査(春と秋)、夜間のホタル調査(初夏)。
3)鳥類調査:ルートセンサスによる鳥類調査(春、初夏、秋)。

課題代表者

西廣 淳

  • 気候変動適応センター
  • 副センター長
  • 博士(理学)
  • 理学 ,生物学
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