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過酸化水素の時空間分布予測のための多媒体モデル構築に関する研究(平成 31年度)
Development of a multimedia model for predicting spatiotemporal distribution of hydrogen peroxide

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 5-1707
研究課題コード
1719BA005
開始/終了年度
2017~2019年
キーワード(日本語)
過酸化水素,多媒体モデル,時空間変動
キーワード(英語)
hydrogen peroxide, multimedia model, spatiotemporal distribution

研究概要

本研究は、高反応性物質を対象とした多媒体モデル構築に資するために、化審法において優先評価化学物質に指定されている過酸化水素を対象に、月ごとの平均的な条件下における環境中動態を日本全国で再現するためのモデル構築を目指すものである。次の2つのサブテーマの連携によって研究を進める。サブテーマ1「過酸化水素の多媒体モデル構築に関する研究」では、有機汚染物質を対象に開発した多媒体モデルG-CIEMSに関して、大気質モデルVENUSとの連携および河川中の日内変動を計算するためのサブモデルの構築を実施し、反応性の高い過酸化水素の生成・分解過程の計算を可能とする。また、家庭・事業所等で使用された過酸化水素の直接排出や人間活動に起因する有機物負荷をモデルに反映させることで、モデルの再現性を向上させるとともに、直接排出の影響を定量的に把握することを可能にする。モデル構築の際には、サブテーマ2で得られた各プロセスの速度定数などを用いるとともに、実測値との比較によりモデルの予測信頼性を検証する。サブテーマ2「環境中の過酸化水素の動態観測と解析」では、いくつかの気象条件における大気、河川水、降雨などの環境媒体を対象に過酸化水素やその生成・分解に寄与する溶存有機物や金属等の実態調査を実施する。さらに、過酸化水素の生成や分解に寄与するプロセスの速度論的解析から主要因子や速度定数を明らかにし、モデル構築の基礎データとする。環境実態調査は広島市や東広島市を中心に生活排水等の影響が少ない河川と主要な下水処理排水流入後の河川など、サブテーマ1と連携しモデル構築のための戦略的な計画を立てる。本研究により、モデル開発が完成すれば、過酸化水素の実態を的確に把握することができ、かつ他の高反応性物質にも適用可能な基礎的モデルとして位置づけることができ、化審法等における暴露評価に効果的かつ効率的に資することができる。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

日本全国の過酸化水素の時空間変動を予測するための環境多媒体モデルを構築することが全体の目標である。この目標を達成するために、次の二つのサブテーマを実施する。
サブテーマ1においては、サブテーマ2で得られた成果を基礎として多媒体モデルの構築を目指す。具体的には、日内変動の予測も可能な既存の大気モデルと多媒体で季節変動の予測が可能な既存の多媒体モデルの両者を統合的に活用し、既存のモデル群では再現が難しい多媒体での日内変動の再現を可能にする改良を加える。さらに、関連共存物質の環境条件や家庭・事業所等で利用される過酸化水素の排出推定を進め多媒体モデルに組み込むことで、最終的に日本全国を対象とした過酸化水素の環境動態予測手法として確立する。
サブテーマ2においては、大気、河川水、降雨などの環境媒体中の過酸化水素濃度の変動を観測により明らかにするとともに、その反応・分解プロセスの反応速度に影響を及ぼす共存物質濃度や光強度などの諸条件との関係として速度論的解析を行い、モデル構築・検証のための基礎データを整備することを目標とする。

今年度の研究概要

サブテーマ1では、代表的な気象条件の設定方法を検討し、それらの条件での河川水中の有機物濃度予測計算および過酸化水素の日内変動の計算を実施する。また、大気モデルでの計算結果を踏まえて多媒体モデルでの過酸化水素の挙動の計算を実施する。
サブテーマ2では、引き続き、実態調査によって様々な地域・媒体での過酸化水素等の実態調査を実施すると共に、その影響因子についての解析を実施する。各サブテーマの結果を踏まえて、モデル予測の信頼性について検証し、高反応性物質の多媒体モデルでの予測について総括する。

外部との連携

サブテーマ2は広島大学にて実施されている。

課題代表者

今泉 圭隆

  • 環境リスク・健康研究センター
    リスク管理戦略研究室
  • 主任研究員
  • 博士(工学)
  • 工学,化学,土木工学
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担当者