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琵琶湖における外来魚アメリカナマズの捕獲情報収集および遊泳能力計測に基づく分布拡大予測(平成 31年度)
Predicting non-native channel catfish expansion in Lake Biwa based on past capture data and swimming performance measurement

予算区分
KZ その他公募
研究課題コード
1819KZ001
開始/終了年度
2018~2019年
キーワード(日本語)
外来種,チャネルキャットフィッシュ,マッピング,琵琶湖,代謝測定
キーワード(英語)
alien species, channel catfish, mapping, Lake Biwa, metabolic measurement

研究概要

近年琵琶湖では、特定外来生物チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)の捕獲が相次いでいる。本種は、霞ヶ浦をはじめとする日本各地で在来生態系への影響が報告されており、琵琶湖に生息する保全上・水産上重要な多くの在来魚類にも、深刻な影響を及ぼす可能性が高い。本種は2008年以降、琵琶湖下流の瀬田川と琵琶湖南湖でたびたび確認されてきたが、2016年には琵琶湖北湖でも捕獲され、今後の適切な対策のために詳細な分布調査と、本種の生態に基づく分布拡大予測が急務である。
本研究ではまず、琵琶湖全周および主要な流入河川において、本種の過去の捕獲状況について網羅的な情報収集を行い、これまで部分的な情報しかなかった琵琶湖のアメリカナマズについて、過去と直近の捕獲情報を網羅した、詳細な分布地図を作成する。あわせて、広大な琵琶湖における本種の分布拡大速度を大きく左右する、本種の遊泳能力を、流水水槽を用いた室内実験によって詳細に定量する。以上の知見を、本種の将来的な分布拡大の予測ならびに適切なモニタリング・駆除手法の提案につなげる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

(1) 琵琶湖全周を対象としたアメリカナマズ捕獲情報の網羅的な収集とマッピング
まず、2018年以前の本種の捕獲情報について、琵琶湖および周辺河川の漁協を中心に聞き取り調査を行う。さらに、2018年秋〜2019年夏の1年間にわたり、琵琶湖および周辺河川の漁協における本種の捕獲情報および魚体を収集する。これらの調査により得られた全データを地図上にマッピングし、網羅的かつ詳細な分布地図を作成する。

(2) アメリカナマズの遊泳能力測定と分布拡大シナリオの予測
琵琶湖北湖における本種の分布拡大シナリオを予測する根拠となる、本種の水温別の遊泳能力を、室内実験により定量する。得られたデータに基づき、予想される2つの分布拡大シナリオ(岸伝いにゆっくり進行するか、全域に飛び火する形で急速に進行するか)につきそれぞれ検討する。

上記(1)(2)のどちらも、2018年度、2019年度にまたがる形で継続的に実施する。

今年度の研究概要

2019年度は下記2点の実施を予定している。
【捕獲情報収集】
・琵琶湖および流入河川、ならびに琵琶湖下流の淀川流域における本種の捕獲情報を収集する。
【遊泳能力計測】
・本種の高水温期(15-25℃)における遊泳能力を、室内実験により定量する。

外部との連携

【共同研究者】
佐藤克文(東京大学大気海洋研究所)
石崎大介(滋賀県水産試験場)
山本義彦(大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センター)

備考

公募名:プロ・ナトゥーラ・ファンド助成(国内研究助成)
助成団体:公益財団法人自然保護助成基金

課題代表者

吉田 誠