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鉄鋼循環チェーンにおける不純物制御によるリサイクル高付加価値化(平成 31年度)
Increasing added value with impurities control in steel cycles

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1820CD005
開始/終了年度
2018~2020年
キーワード(日本語)
産業エコロジー,リサイクル
キーワード(英語)
industrial ecology, recycle

研究概要

多くの素材リサイクルに共通の課題は不純物の混入である。不純物量だけでなく、様々な発生源と様々な処理により、そのバラツキが大きいことが課題である。しかし、そのバラツキは観測が困難であり定量されてこなかった。そこで本課題では、バラツキを含め不純物の制御によって、高付加価値なリサイクルを実現するためのモデルを構築する。
本課題で構築するモデルは、リサイクル性に優れた鉄鋼材を対象に検討するものの、他の素材のリサイクルにおいても適用可能な部分も多いと考えている。本課題では、産業エコロジーによるアプローチとして鉄スクラップの管理による不純物元素の混入量とバラツキの制御可能性と、冶金学によるアプローチとしてリサイクル材の特性における不純物に対する感度の同定の双方を中心的課題とする。使用済み製品の発生から再生材の凝固プロセスまでを通して、鉄鋼材の機能が劣化しない循環システムの構築ならびに技術の確立を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

主に産業エコロジーのアプローチとして、(1)不純物濃度と分散の同定と(2)混入源の同定を、主に冶金学のアプローチとして(3)精錬での除去と凝固での不純物元素の挙動解明を実施し、それらのアプローチを融合することで、鉄鋼循環チェーンを通してリサイクルの高付加価値化のための方策を検討する。NIESは、主に産業エコロジーのアプローチに取り組む。

[H30]
 (1)不純物偏析の調査、非鉄金属成分の調査、共存関係の分析
 (2)IO-MFAモデルの応用、極低濃度元素の調査
 (3)高濃度領域での影響、物理化学的基礎データの解析・整備
[H31]
 (1)処理方法による分布の調査
 (2)混入源の同定
 (3)物理化学的基礎データの解析・整備
[H32]
 (1)分散を低減する処理方法の可能性検討
 (2)混入回避の可能性検討
 (3)スクラップブレンディングおよび無害化・有効利用の可能性検討

今年度の研究概要

鋼材中に含まれる極微量不純物の情報を集めるとともに、それら情報を活用し不純物の混入起源の推定手法を開発する。極微量不純物は、偏析している可能性があることが明らかになっているため、LA-ICPTOFMSのメンテナンスを行い、各種不純物元素の偏析状況を明らかにする予定である。過去に生産された鉄筋棒鋼を建築物解体から得ることで、時系列の不純物濃度データを集め始めたが、分析の結果からさらなる試料採取の必要性が明らかになったため、試料点数を拡充する。分析した結果の解釈について、その時系列変化を説明するモデルを開発し、混入起源の推計にも貢献する。溶鉄中に溶解する種々の元素の活量におよぼすトランプエレメントの影響について、さらに調査を進める。熱力学的な除去可能性ならびに、実態としての不純物濃度を踏まえ、それら不純物が特性に与える影響について、既存の知見の整理をおこなう。さらに、鉄鋼材に要求される各材料特性と、その特性を必要とする需要先ならびに需要量に関して、需要統計とJIS規格を接続するモデルを開発して明らかにし、トランプエレメントの混入に対してロバストな循環システムの構築に向けた知見を整備する。MaTraceモデル開発および事例研究を進める。加えて、2011年表の作表に向けて、整備が完了している2000年表等からの投入係数に関するデータ補完と線形計画法などの適用を進める。

外部との連携

醍醐 市朗(研究代表者、東大)、林 英男(都産技研)、小林 能直(東工大)、小野 英樹(富山大)、松八重 一代(東北大)

課題代表者

中島 謙一

  • 資源循環・廃棄物研究センター
    国際資源循環研究室
  • 主任研究員
  • 博士(工学)
  • 工学,材料工学
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