- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1719CD009
- 開始/終了年度
- 2017~2019年
- キーワード(日本語)
- センサー,生物膜,排水処理
- キーワード(英語)
- sensor, biofilm, wastewater treatment
研究概要
多様な産業種あるいは適用環境の異なる国々へ拡大が進む環境微生物を用いた排水・廃棄物処理技術において、安定した生物膜の保持は性能保証の根幹である。本研究では、水晶振動子センサーが持つナノグラムスケールの付着質量変化の定量的検出機能を用いてハイスループットな生物膜の安定性評価法法を構築し、さらにそれを活用して、安定化条件を明らかにする。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
全研究期間内に具体的に次の3つの項目に取り組む。
(1)水晶振動子センサーを使った生物膜のナノスケール付着量定量化手法の確立
(2)確立した手法を用いた、安定した生物膜付着に対する影響物質と影響濃度範囲の特定
(3)生物膜評価に係る従来法との比較実験による開発法の有効性の検証
今年度の研究概要
センサーを用いた評価法により、高塩濃度における生物膜発達の阻害に対しては特にカチオンポリマーが有効で、検討した中でもポリ塩化第二鉄が効果的であった。また、連続実験から、嫌気性生物膜の発達阻害が顕著になるNa濃度の範囲が特定できた。これらの成果を踏まえて、今年度はUASBリアクターの連続実験における高塩濃度下でのポリ鉄の添加による発達促進法の効果を検証する。具体的にはポリ鉄添加有無の各条件での生物膜発達を評価するための2台の装置を準備し、Na濃度10 g/L以上での連続実験を行う。微粉砕された嫌気性グラニュール種汚泥を用いたスタートアップを始め、グラニュールの粒度分布や槽内の汚泥濃度の推移をモニタリングしながら発達度合いの評価を行う。特にポリ鉄による生物膜発達の促進と、K元素添加によるNa生物阻害の軽減の2点に焦点を当てて、それぞれの生物膜発達への寄与を解析する。
外部との連携
住友重機械エンバイロメント
- 関連する研究課題
課題代表者
小林 拓朗
- 資源循環領域
資源循環基盤技術研究室 - 主幹研究員
- 博士 (工学)
- 土木工学,生物工学
担当者
-
徐 開欽