ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

緩和策と適応策に資する沿岸生態系機能とサービスの評価(平成 29年度)
Evaluating the functions of coastal ecosystems for climate change mitigation and adaptation: Carbon storage and coastal protection

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) S-14-2(3)
研究課題コード
1520BA001
開始/終了年度
2015~2020年
キーワード(日本語)
沿岸生態系,気候変動,炭素貯留,沿岸保護
キーワード(英語)
coastal ecosystems,climate change,carbon stock,coastal protection

研究概要

 海面上昇や高浪被害といった気候変動影響をダイレクトに受ける沿岸域では、防潮堤に加えて生態系ベースの緩和適応策評価が急務である。しかし、マングローブ-干潟-藻場-サンゴ礁といった一連の沿岸生態系の分布情報整備が不十分であるため、何処にどの様な生態系が形成されているのかさえ把握しきれていないのが現状である。さらに緩和適応策に資する生態系機能である炭素貯留機能や沿岸保護・侵食調整機能については、個別の生態系を対象とした報告はあるものの、一連の沿岸生態系として評価されていないため、保全との便益を考慮した緩和適応策の具体的指針を得るに到っていない。
 本サブテーマではまず、海面上昇・高浪被害が深刻化している熱帯・亜熱帯の沿岸域に焦点をあて、マングローブ-干潟-藻場-サンゴ礁の分布情報整備を行う。具体的には、沿岸生態系のGIS分布データに、統一化した属性項目(植物種・調査年・地形タイプ等)を付与して整備する。炭素貯留機能、沿岸保護・侵食調整機能については既存の文献データの収集と整備を進めると共に、いくつかの類型化した現地調査地を選定して一連の沿岸生態系として評価するための計測を行う。具体的にはマングローブからサンゴ礁に向けたトランセクト上の土壌コア掘削を行い、コア断面記載と炭素貯留量計測等を行う。また、既存の地形・構造データを元に、一連の沿岸生態系が持つ波の緩衝機能を定量的に評価するための情報整備を行う。
 沿岸域の生態系ベースの緩和適応策の具体的指針を得るための便益分析、将来予測を念頭に他のサブテーマとも密に連携をしながら進める。緩和適応策の経済評価を計画しているテーマ2サブテーマ(5)に必要な基礎情報を提供する。また、気候変動に伴う沿岸地域の脆弱性評価や費用便益分析に必要な、地形データ、生態系ベースの沿岸保護・侵食防止機能の定量評価データおよび炭素貯留機能プロセス解明データをテーマ3に提供する。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

1. 全体の構成
(1)全球における熱帯・亜熱帯沿岸生態系のGIS分布情報整備
(2)生態系構成・地形に基づく生態系の類型化
(3)炭素貯留機能評価
(4)沿岸保護機能評価

2. 研究の流れ
平成27年度-平成28年度
現地調査地の視察と調査準備

平成27年度-平成29年度
既存のデータ収集(分布情報・炭素貯留量・沿岸保護機能)と整理を行う。

平成27年度-平成30年度
生態系の類型化

平成28年度-平成30年度
現地調査における、炭素炭素貯留機能および沿岸保護機能評価

平成30年度-平成31年度
収集整理したデータによる便益分析や気候変動による予測分析

今年度の研究概要

前年度に整理した炭素貯留データを基にモデル解析と全球推定の作業を継続する。
現地調査地における調査計測を引き続き行う。
沿岸生態系の沿岸保護機能に関する既存データの整理を開始する。

外部との連携

本研究は、環境研究総合推進費戦略的研究開発領域課題(S-14)「気候変動の緩和策と適応策の統合的戦略研究」における、テーマ2-3を分担するものである。
S-14プロジェクトリーダー:東京大学 沖大幹
S-14-2テーマリーダー:横浜国立大学 松田裕之

課題代表者

井上 智美

  • 生物・生態系環境研究センター
    環境ストレス機構研究室
  • 主任研究員
  • 理学博士
  • 生物学,化学
portrait

担当者