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メタンの合理的排出削減に資する東アジアの起源別収支監視と評価システムの構築(平成 29年度)
Development of a Monitoring and Evaluation System of the Methane Budget for Different Source Categories in East Asia toward Intended Emission Reduction

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) 2-1710
研究課題コード
1719BA002
開始/終了年度
2017~2019年
キーワード(日本語)
パリ協定,緩和,メタン,東アジア
キーワード(英語)
Paris Agreement,Mitigation,Methane,East Asia

研究概要

本課題では大きなCH4放出源をもつ東アジア陸域を主たる対象として、CH4収支監視のための先端機器を用いた観測と詳細モデルによる評価の高精度化、社会経済シナリオに基づく将来のCH4放出量推定に関する研究を行う。パリ協定における各国の排出削減目標に対する科学的な根拠や検証材料を提供し、より効果的なCH4排出削減の道筋を示して、温暖化政策立案に寄与する事を目標とする。サブテーマ別の実施内容は以下の通りである。

1【収支モデル】陸域の主要な自然放出源に関するモデルを開発し、人為放出インベントリ解析と組み合わせてアジア地域のCH4収支に関する高精度なマップを作成して、社会経済シナリオに基づいて過去から将来の排出量変化を評価する。
2【大気観測】東アジアCH4収支の変化を捉えられるサイトにおいて、大気中のCH4濃度、同位体比、および関連するトレーサー成分の観測を実施し、他成分を組み合わせた統合的なデータ解析によって地域CH4収支の高精度化を図る。
3【気候変動予測】気候変動予測を行う地球システムモデルにCH4循環スキームを組み込み、アジア陸域のCH4収支変動(緩和策による削減や大規模放出イベント)が温暖化の進行に与える影響を評価する。

サブ2の観測データをサブ1推定の検証データに用いる、またサブ1で作成されたアジア陸域CH4収支データをサブ3の予測用データとするなど、課題全体で一体的に連携しつつ研究を進める。本課題では東アジアを主な対象とするが、地点での観測から全球モデルまで複数のスケール階層を扱う。また、他課題と連携することで東南アジアの泥炭地や凍土域を含む北極圏のCH4収支に関しても考慮しつつ研究を進める。

本課題の地上観測とモデルによるアジア地域のCH4収支推定は、GOSATなど衛星観測に基づく監視に対する検証材料となる。過去から現在までの収支分布データ(改良版インベントリ)は逆推定の先験情報の高度化に寄与することが可能である。予測モデル研究と連携することで国別人為排出の合理的な削減による緩和の実効性に関する定量的評価につなげる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

日本や中国などの大規模排出国を持つ東アジア地域における陸域CH4収支の監視を目指し、地表観測とモデル計算に基づく評価を行い近年の収支変動を明らかにする。総排出に占める人為起源と自然起源の内訳と主要排出源の分布を、観測データ解析、モデル計算、インベントリによって詳細に評価する。パリ協定やIPCCで想定されるシナリオに基づいて今世紀中の東アジア陸域CH4収支変化を推定し、それが気候変動に与える影響予測や低炭素シナリオの緩和策評価を行う。
平成29年度は地域スケールのCH4収支推定に向けた検討、準備作業、予備解析を実施する。先端的な大気CH4観測を行うための測器を購入し分析システムを構築する。東アジア地域のCH4収支を詳細にシミュレートするためのモデル開発とデータセット整備を行う。
平成30年度は、前年度の予備検討と準備作業を踏まえ、サブテーマ間連携を進めてCH4収支の監視手法の開発を継続し、排出削減による緩和の実効性評価に向けたモデルを用いた評価を進める。
平成31年度は、課題の最終目標である東アジアのCH4収支監視に向けた手法の確立と、緩和に向けた人為起源排出の合理的削減についてモデルを用いた実効性の評価を行い、成果を総括する。

今年度の研究概要

地域スケールのCH4収支推定に向けた検討、準備作業、予備解析を実施する。先端的な大気CH4観測を行うための測器を購入し分析システムを構築する。東アジア地域のCH4収支を詳細にシミュレートするためのモデル開発とデータセット整備を行う。
サブテーマ1は、湿原などの自然起源CH4放出量を推定するモデルの現状を分析し、推定不確実性の幅とその原因を、アジア地域を中心として検討する。
サブテーマ2は、大気観測からCH4の発生源の情報を得るために、CH4濃度の連続観測を行うと共に、CH4の同位体組成、さらに、CH4発生プロセスで随伴して放出されるトレーサー成分(炭化水素類)の測定システムの構築に取り組む。
サブテーマ3は、気候変動を予測する地球システムモデルにおけるCH4の扱いについて他機関モデルを含めて現状の到達度と問題点を検討する。

外部との連携

参画機関;国立研究開発法人海洋研究開発機構
外部連携(予定):名古屋大学、東北大学

課題代表者

伊藤 昭彦

  • 地球環境研究センター
    物質循環モデリング・解析研究室
  • 主任研究員
  • 博士(理学)
  • 生物学,地学,林学
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担当者