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環境DNA法による土壌微生物動態評価から温暖化に伴う土壌有機炭素の変動要因を探る(平成 28年度)
Evaluation of changing factor for soil organic carbon under experimental soil warming based on the analysis of microbial species composition with environmental DNA method

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1618CD024
開始/終了年度
2016~2018年
キーワード(日本語)
温暖化操作実験,土壌有機炭素分解,土壌微生物,環境DNA
キーワード(英語)
Experimental soil warming, SOC decomposition, Soil microbiota, Environmental DNA

研究概要

土壌中の有機炭素は土壌微生物による分解過程を経てCO2 として大気中に放出される。この現象は
微生物呼吸と呼ばれ、人間活動に由来するCO2 放出量の約9 倍に相当する。温暖化に伴う微生物呼吸
量の増加は地球規模の炭素収支に多大な影響を及ぼすため、その予測は重要であるものの、僅かな土
壌中に数億個体が存在する土壌微生物の動態を、従来の培養法を用いて把握することは極めて困難で
あった。本申請課題では、温暖化操作実験のもと、微生物呼吸が長期に渡って測定されている西日本
の森林において、最新の遺伝解析手法である「次世代シーケンサーを活用した環境DNA 解析法」を用
いて土壌微生物動態を把握することで、温暖化に対して土壌微生物相がどのような応答を示し、結
果として微生物呼吸がどう変動するのかといった、一連の微生物呼吸プロセスの解明を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

温暖化が土壌微生物動態および土壌微生物による有機物の分解(微生物呼吸)に及ぼす影響を明ら
かにするため、温暖化操作を施した5 基を含む10 基の土壌呼吸測定チャンバーを用いて、アラカシ優
占林において年間を通して微生物呼吸を測定する(図2?,?)。また、10 基のチャンバー内の土壌を
定期的に採集し(図2?)、次世代シーケンサーを用いた環境DNA 解析により、土壌微生物の種組成、
全土壌微生物量、およびそれらの季節変化など、土壌微生物動態を把握する(図2?,?)。得られた
結果をもとに、温暖化が土壌微生物動態および微生物呼吸に及ぼす影響や、土壌微生物動態と微生物
呼吸量の関係を明らかにすることで、温暖化に対して土壌微生物相がどのような応答を示し、結
果として微生物呼吸がどう変動するのかといった一連の微生物呼吸プロセスの解明を行う。

今年度の研究概要

遺伝解析に使用する土壌サンプルの採集は、チャンバー内の環境不均一性を考慮し、全10 基のチャンバーを対象に、それぞれチャンバー内の4 ヶ所から行う。その際、土壌有機物分解が活発な表層3cm 程度からそれぞれ10g 程度を採集する。土壌サンプルの採集は森林のフェノロジー(生物季節)を考慮して年4 回、1 月、4 月、7 月および10 月に行い、最終的に160 サンプル(10 チャンバー×4 ヶ所×4 時期)を採集する。採集した土壌サンプルは実験室に持ち帰り、ディープフリーザー(−20℃)を用いて急速に冷凍することで土壌微生物相の変化を抑制する。DNA 抽出を行った後の土壌サンプルについては、高温・高圧化で滅菌処理をした後、適正に廃棄する。

外部との連携

1. 広島大学
2. 中国科学院西双版納熱帯植物園

課題代表者

梁 乃申

  • 地球環境研究センター
    炭素循環研究室
  • 主任研究員
  • 学術博士
  • 林学
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