- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1517CD025
- 開始/終了年度
- 2015~2017年
- キーワード(日本語)
- 温暖化操作実験,土壌呼吸,環境DNA,土壌微生物
- キーワード(英語)
- Experimental soil warming, Soil respiration, Environmental DNA, Soil microbiota
研究概要
温暖化に伴って、森林生態系がCO2の吸収源として機能し続けるのか、あるいは放出源に転換するのかという点に関する知見は、依然憶測の域を出ていない。そこで、本研究では、日本の九州と瀬戸内海地方及び中国の雲南省に分布する亜熱帯と温帯森林において、(1)独立行政法人国立環境研究所が開発した大型マルチ自動開閉チャンバー式土壌呼吸測定システムを用いて、温暖化操作実験を行うとともに、(2) 環境DNA法を用いた温暖化前後の森林土壌微生物バイオマスとその種組成の変化を分析する。得られた情報に基づき、野外環境下における土壌微生物相の動態や土壌呼吸量との関係を明らかにすることで、温暖化に際し、アジアを中心としたグローバルな森林生態系が今まで以上に吸収源として機能するのか、逆に放出源に転換するのかといった疑問を解明することを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備
全体計画
本研究では、国立環境研究所が開発・主導しているチャンバーネットワークを観測プラットフォームとして活用し、日本の九州(宮崎)と瀬戸内海地方(広島)から中国雲南省の哀牢山と麗江まで、広く分布する代表的な亜熱帯林と温帯林における温暖化前後の土壌呼吸の時間・空間的変動に関するオリジナルデータを取得・解析する。また、広島大学が改良した次世代環境DNA法を活用することで、温暖化前後の異なる森林土壌における微生物バイオマスとその種組成の動態をより高精度に解明する。そのための研究計画としては、以下に示すものを構想している。
今年度の研究概要
チャンバー観測ネットワークによる、双方の温暖化操作実験サイトにおける土壌呼吸観測の体制を維持する。また両国の研究者は、各自が管理する実験サイトにおいて、土壌微生物バイオマス定量及びその種組成分析を実施する。さらに、双方が研究訪問を行い、実験結果を比較する。
外部との連携
1. 広島大学
2. 中国科学院西双版納熱帯植物園
課題代表者
梁 乃申
- 地球システム領域
- シニア研究員
- 学術博士
- 林学