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メチル水銀が示すコレステロール代謝因子の脳特異的発現誘導とその意義(平成 28年度)
The Role of cholesterol hydroxylase against methylmercury-induced neurotoxic effect

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1516CD006
開始/終了年度
2015~2016年
キーワード(日本語)
水銀
キーワード(英語)
mercury

研究概要

 メチル水銀は強力な神経毒性を有し、脳に対して選択的にダメージを与える。水銀による環境汚染は地球規模で進行している一方で、メチル水銀が示す毒性の脳特異的毒性発現機構は未だほとんど解明されていない。最近メチル水銀曝露によって顕著に脳内の発現レベルが上昇する遺伝子としてCH25H(コレステロール代謝に関与)を同定した。脳は身体の中でもっともコレステロールが多く、脳内でのコレステロール恒常性は、脳の機能維持に非常に重要である。CH25Hは、リポ多糖などの刺激に伴って放出されるインターフェロンによって誘導されることが明らかになっているものの、メチル水銀によって誘導されることはこれまでに報告されていない。そこで、本研究ではメチル水銀によるCH25Hの発現誘導機構を明らかにするとともに、CH25Hおよびその代謝物である25-Hydroxycholesterolとのメチル水銀毒性との関係を検討することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

本研究はメチル水銀によるCH25Hの発現誘導機構を明らかにするとともに、CH25Hおよびその代謝物である25-Hydroxycholesterolとのメチル水銀毒性との関係を検討し、メチル水銀毒性との関係を明らかにする。
平成27年度は、メチル水銀毒性におけるCH25H発現誘導の意義について検討する。(1)マウス脳中でのCH25Hの発現誘導とメチル水銀による障害レベルおよび部位に関する検討を行う。マウス脳中でのCH25Hの発現誘導部位とメチル水銀による障害部位との関係も調べることによって、両者の関係を明確にする。(2) 脳由来培養細胞におけるメチル水銀によるCH25Hの発現誘導とメチル水銀毒性の関係について検討する。(3)CH25Hの発現量の変動がメチル水銀毒性に与える影響について、ノックダウン/アウト細胞を作成し、メチル水銀の細胞毒性に与える影響を検討する。
平成28年度は、平成27年度の項目についても引き続き検討を行うとともに、コレステロール代謝産物のメチル水銀毒性軽減または増悪への影響について検討を行う。
(1) CH25Hの代謝産物である25-Hydroxycholesterolがメチル水銀の細胞毒性に与える影響について、神経細胞等に25-HCを前処理することでメチル水銀毒性への影響を検討する。
(2) CH25H以外の他のコレステロール代謝産物とメチル水銀毒性に与える影響について、(2)と同様に神経細胞等に前処理することでメチル水銀毒性への影響を検討する。

今年度の研究概要

平成28年度はコレステロール代謝産物のメチル水銀毒性軽減または増悪への影響について検討を行うとともに平成27年度の一部の項目についても追実験を行う予定である。

平成28年度は、(1) CH25Hの代謝産物である25-Hydroxycholesterolがメチル水銀の細胞毒性に与える影響について、神経細胞等に25-HCを前処理することでメチル水銀毒性への影響を検討する。
(2) CH25H以外の他のコレステロール代謝産物とメチル水銀毒性に与える影響について、(2)と同様に神経細胞等に前処理することでメチル水銀毒性への影響を検討する。
(3)平成27年度の検討により、マウス脳内でアストロサイト特異的にCH25Hが発現していることから、アストロサイトを用いた細胞実験を行う。メチル水銀添加によるCH25Hの発現誘導やsiRNAによる発現抑制時でのメチル水銀毒性への影響について検討を行う。

関連する研究課題

課題代表者

岩井 美幸
  • 環境リスク・健康研究センター
    曝露動態研究室
  • 研究員
  • 博士(医学)
  • 薬学
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