ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

赤城大沼の水圏生態系における放射性セシウムの動態解明(平成 27年度)
Studies on dynamic process of radioactive cesium in Lake ecosystem of Akagi Onuma

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1416CD027
開始/終了年度
2014~2016年
キーワード(日本語)
放射性セシウム,湖沼生態系,物質循環,環境放射能
キーワード(英語)
radioactive cesium, lake ecosystem, material circulation, environmental radioactivity

研究概要

福島第一原子力発電所事故に伴う放射能汚染が長期化の様相を呈している赤城大沼において、水圏生態系に着目した放射性セシウムの動態を解明するとともに、初動およびモニタリングに資する環境調査手法の確立を目指す。
具体的には申請者らのこれまでの研究(環境省環境研究総合推進費(復興枠)、平成24〜25年度)を基に、?赤城大沼の水圏生態系における放射性セシウムをモニタリングする。?湖底質からの放射性セシウム溶出実態を把握する。?放射性セシウム含有底質から生物への移行量を算出する。?放射性セシウム含有飼料の魚類給餌による体内蓄積および体外排出量を推定する。?内陸湖沼での放射能汚染に対応する環境調査手法を確立する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

国や県の航空機等による土壌モニタリング調査が示す放射性セシウムの推定降下量が、他の水域に比較しても大きく異ならない赤城大沼において、汚染が深刻かつ長期化しているメカニズムを解明するため、水圏生態系における環境動態を精査し、食物連鎖上の放射性セシウムの移行状況を把握する。
期間を通じ、湖底質、湖水、プランクトン中の放射性セシウムの化学形態と環境要因の季節変動との関係を追及し、放射性セシウムの湖底質からの溶出や再懸濁とプランクトンへの取り込みメカニズムを、特に湖内物質循環の垂直移動を念頭に置いて精査する。
一方、淡水魚は海水魚とは異なり浸透圧調整のため能動的に放射性セシウムを蓄積し、かつ排出しづらい生理的な性質を有している。こうした特性を有する淡水魚の餌料を経由した体内への蓄積量および体外への排出量を把握するため、放射性セシウム含有飼料の給餌飼育実験を実施して移行状況の継時的な定量化を試みる。また、赤城大沼における実際の移行状況を推測するため、生息魚類の食性や年級群組成等を適宜確認する。
さらに、本研究で実施あるいは開発した各種調査手法を、内陸部の水圏生態系における初動およびモニタリング時の放射性物質汚染調査手法として確立するとともに、得られたデータを放射能汚染低減対策の基礎資料として活用する。

今年度の研究概要

【課題1】赤城大沼の水圏生態系における放射性セシウムのモニタリング
前年度に引き続き同様の調査を行う。
【課題2】湖底質からの放射性セシウム溶出実態の把握
 嫌気的あるいは好気的条件下での底質からの放射性セシウムの溶出状況を室内実験で把握する。
【課題3】:放射性セシウム含有底質から生物への移行量の算出
実験生物を両生類や魚類として前年度に引き続き同様に隔離水界実験を行い、放射性セシウムの水生動物へ移行量を算出する。そして、底質、湖水セストン、水生生物のセシウム分配率を比較する。
【課題4】:放射性セシウム含有飼料の魚類給餌による体内蓄積および体外排出量の推定
魚種をコイとして前年度に引き続き同様に給餌試験を行い、放射性セシウムの飼料から魚体内への移行係数を求める。

外部との連携

研究代表者:久下敏宏(群馬県水産試験場)

研究分担者:角田欣一、森 勝伸(群馬大学)

野原精一(国立環境研究所)、鈴木究真(群馬県水産試験場)

岡田往子(東京都市大学)、薬袋佳孝(武蔵大学)、

連携研究者:田中英樹、泉庄太郎、小野関由美(群馬県水産試験場)

長尾誠也(金沢大学)

関連する研究課題

課題代表者

野原 精一

  • 生物・生態系環境研究センター
    生態系機能評価研究室
  • 室長
  • 理学博士
  • 生物学,理学 ,水産学
portrait