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大気中水銀同位体分析の手法開発(平成 27年度)
Development of Hg isotope analytical techniques for atmospheric samples

予算区分
AN 所内公募B
研究課題コード
1517AN001
開始/終了年度
2015~2016年
キーワード(日本語)
水銀,同位体,大気水銀
キーワード(英語)
Mercury, Isotope, Atmospheric mercury

研究概要

 大気中水銀の発生源および環境動態を明らかにするために、その指標となる水銀同位体分析を実施する。本研究では、マルチコレクター誘導結合プラズマ質量分析計(MC-ICP-MS)を用いた大気中微量水銀同位体分析手法の確立するため、その手始めとして効率的に大気中水銀を捕集するシステムの開発を実施する。
 水銀がもたらす環境・健康リスクの低減に向けた全球規模での対応を実現するためには、水銀の環境動態を把握することが必須である。特に日本は、化石燃料の燃焼に伴う水銀の大気放出の増加が著しい東アジア諸国の風下に位置するため、水銀の発生源からヒトへの暴露までの経路の理解が極めて重要である。本研究では、大気中水銀の発生源および挙動を明らかにするために、その指標となり得る水銀同位体の分析手法を開発する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:

全体計画

 大気中には化学形態の異なる三つの水銀が存在する((ガス状Hg(0))、ガス状Hg(II)、粒子状Hg(p))。本研究では、大気中水銀同位体分析の手始めとして、大気中水銀の約95%を占めるガス状Hg(0)の水銀同位体分析を目指し、捕集法を確立する。
 定量分析ではローボリュームサンプラー(1~2L/min)を用い、金アマルガム法で水銀を吸着する捕集法が一般的であるが、本研究では大量の試料量が必要であるため、捕集量の多いサンプラー(~40L/min)を用いた捕集の実施を試みる。平成26年度に導入されたMC-ICP-MS(nu plasma II)は従来機器よりも数倍感度が高いため、半日〜1日の連続運転により同位体分析に必要な試料量が捕集できる見込みである。この際、金アマルガム法を用いた大気水銀捕集法、捕集後の水銀脱着・回収法、回収率の検討を行う。

今年度の研究概要

本研究は三つのシステムから成り立つ。今年度は精度管理を考慮しながら、それぞれのシステム構築を目標とする。
(1) 大気捕集システム
(2) 加熱脱着ー溶液捕集システム
(3) 水銀同位体分析

関連する研究課題

課題代表者

山川 茜

  • 環境リスク・健康領域
    環境標準研究室
  • 主任研究員
  • 理学博士
  • 地学
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