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大陸に由来するアジアンスモック(煙霧)の疫学調査と実験研究による生体影響解明(平成 26年度)
Investigating the health effects of Asian smog transported from Asian continent by epidemiological and experimental approaches

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1315CD021
開始/終了年度
2013~2015年
キーワード(日本語)
煙霧,ライダー
キーワード(英語)
haze, lidar

研究概要

煙霧は、大陸に由来する人為的固定・移動発生源の一次的、二次的生成物の硫酸エアロゾルや黒色微小粒子(PM2.5)等によるものである。そのため煙霧の健康影響に関して懸念が高まっている。そこで本研究では煙霧が頻繁に発生する福岡地域を中心として、身体の発達期の子どもや呼吸器疾患者を対象として疫学調査を行う。一方、実験的手法によって気管支喘息、スギ花粉症やアレルギー性結膜炎の動物疾患モデルを用いて煙霧由来の黒色微小粒子の影響を明らかにする。また含有成分のアレルギー憎悪への寄与率を算出し健康評価指標とする。更に免疫担当細胞やヒト結膜細胞を用いてその炎症増悪メカニズムを解明する。このような疫学調査と実験研究によって多角的に煙霧の健康影響評価を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

経時的なライダー(LIDAR: Light Detection And Ranging)観測データから土壌粒子と大気汚染粒子を分離し、黄砂と煙霧(大気汚染粒子)の判別を行う共に、それぞれの高度分布を疫学指標として活用できるか検討する。また九州大学の3波長ミー・ラマン散乱ライダーによる黒色炭素、黄砂、海塩、大気汚染粒子(黒色炭素以外)の連続測定と黒色炭素成分の時間・空間変動を捉えて、疫学研究のための曝露指標となるかを検討する。

今年度の研究概要

煙霧の飛来する4月∼5月に、小学校高学年1,500人を対象に本格調査を実施する。ベースライン調査後、1か月程度の症状日記を記録する。症状記録に同期してPM2.5, Ox, NO2, SO2濃度の経日的な連続測定とライダーによる大気汚染粒子(PM2.5)の曝露量の日データを作成し、疫学調査の曝露指標を作成する。

外部との連携

大分県立看護科学大学 市瀬孝道教授を代表とした基盤研究(A)に分担者として参画している。

関連する研究課題
  • 0 : 地域環境研究分野における研究課題

課題代表者

清水 厚

  • 地域環境保全領域
    広域大気研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(理学)
  • 物理学,地学
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