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北方森林生態系における大規模撹乱後の植生遷移にともなう炭素動態の変化(平成 26年度)
Effects of Large Scale Disturbances on Vegetation Succession and Carbon Dynamic of Northern Forest Ecosystems

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1316CD004
開始/終了年度
2013~2016年
キーワード(日本語)
炭素循環,植生遷移,大規模攪乱,北方林,渦相関法,自動開閉チャンバー
キーワード(英語)
carbon cycle, vegetation succession, large scale disturbance, northern forest, eddy covariance, automated chamber

研究概要

森林生態系は大気CO2の吸収源として期待されているが,伐採,火災,風倒などにともなう大規模撹乱によってCO2収支が大きく変化し,大きなCO2放出源になる転換することが知られている。今後,地球温暖化の進行にともなって森林撹乱の頻度や規模が大きくなることが懸念されているが,森林生態系の炭素動態について,撹乱前後の変化および撹乱後の植生遷移(回復)にともなう変化を,CO2収支の直接的な長期観測に基づいて評価した研究例はない。本研究課題では,撹乱の原因と程度が異なる北海道の研究サイト(撹乱跡地)で,植生遷移の過程,炭素蓄積量,CO2収支などに関する長期の野外観測を行い,炭素収支の変化のメカニズムを解明するとともに,撹乱の原因,立地環境,撹乱後の植生遷移の状態が北方森林生態系の炭素動態に与える影響を明らかにしたい。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

CO2フラックスの観測は,微気象学的方法(渦相関法)および大型自動開閉型チャンバーシステムを用いて行う。渦相関法は,森林などの陸域生態系と大気との間の正味CO2交換量(NEP)を測定する標準的な方法で,課題申請者の3名は,日本(JapanFlux)およびアジア(AsiaFlux)の観測研究ネットワークの代表あるいは運営委員を務めている。経験的なモデルを適用することで,実測されたNEP(= GPP + RE)を生態系光合成(GPP,CO2吸収)と生態系呼吸(RE,CO2放出)に分配することができる。また,複数20台の大型チャンバー(長90cm×幅90cm×高150cm)をいくつかの条件で適用することで,REを根の呼吸(Rr),土壌中の微生物呼吸(土壌有機物の分解)(Rsh),土壌呼吸(土壌からのCO2放出)(Rs = Rr + Rsh),残置された粗大有機物(根株や大枝など)の分解(RCWD)および植物地上部の呼吸(Rab)などに分解し,個別に評価することができる(図2)。このような観測体制を組むことで,生態系全体のCO2収支(NEP)の変化を定量化するだけでなく,変化のメカニズムを明らかにすることができ,陸域生態系炭素循環モデル(Biome-BGCを適用)の素過程サブモデルのパラメータを最適化することが可能となる。なお,既存の研究サイト(苫小牧Aと天塩)では,すでにこれらの観測を実施しており,過去のデータが利用可能である。

今年度の研究概要

 来年度は、確立したシステムに基づき、各サイトにおける観測を継続する。また、天塩サイトにおいては、一部のチャンバーに根切り処理を行い、微生物呼吸の測定を開始する。また、苫小牧サイトでは、チャンバーから得られたデータと、タワー観測による渦相関法から得られたデータを比較し、本攪乱サイトにおける炭素収支の変動を解析する。

外部との連携

研究代表者:平野高司(北海道大学大学院農学研究院・教授)

関連する研究課題

課題代表者

梁 乃申

  • 地球環境研究センター
    炭素循環研究室
  • 主任研究員
  • 学術博士
  • 林学
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