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使用済み自動車(ELV)の資源ポテンシャルと環境負荷に関するシステム分析(平成 26年度)
Resource potential from End-of-Life Vehicle (ELV) and its system analysis on environmental load

予算区分
BE 環境-推進費(補助金)
研究課題コード
1214BE002
開始/終了年度
2012~2014年
キーワード(日本語)
使用済み自動車,自動車リサイクル,難燃剤,重金属,資源性,有害物質
キーワード(英語)
End-of-Life Vehicle (ELV), automobile recycling, flame retardants, heavy metals, resource potential, hazardous substances

研究概要

使用済み自動車(ELV:End-of-Life Vehicles)のリサイクルや適正処理については、21世紀に入って欧州や日本での政策的な取り組みが本格化したが、その効果を検証すべき時期となりつつある。自動車普及の著しいアジア地域では、ELVのリサイクル技術や制度の開発が模索されているところである。一方、自動車製造に使用される資源や化学物質は、鉄資源のほか、ベースメタルの銅や亜鉛、白金やパラジウムなどのレアメタル、さらには重金属類や難燃剤成分としての残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)まで幅広い。これらの物質や素材を二次資源としてみる見方は、21世紀の産業や社会の基本とならねばならないが、ELVのどの部位にどの程度の物質が含有されているか、現状のELVリサイクルシステムにおいてどの程度が回収されているか、残渣は適切に安定化処理されているかについての調査研究はほとんどなされていない。そこで、本研究においては、(1)ELVの3Rと廃棄物管理システムの制度と技術に関する国際比較研究、(2)ELVリサイクルにおける資源性物質や有害物質の挙動解析、(3)自動車のライフサイクルを視野に入れたELVの3Rと廃棄物管理に関する物質フロー解析とライフサイクル分析を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

国際比較研究では、欧米やアジアの政策担当者や廃棄物研究者との情報交換や意見交換を含めることとし、資源性物質や有害物質の挙動解析には国内のELVリサイクルやASR処理施設のフィールド研究を実施する。また、アジア地域のELVリサイクルの実態はほとんど調査されていないため、ベトナムなどにおけるELVの取扱いや関連する環境化学的分析を進める。これらの取り組みにより、大きな資源ポテンシャルを有するとみられるELVの事前選別対象物リストやプロセスの提案に繋がる知見を得ること、リサイクル残渣である自動車破砕残渣(ASR:Automobile Shredder Residue)について次の規制対象候補となるPOPsを睨んだASR適正処理方法を検討すること、そして自動車リサイクル制度展開に向けた次の一手を提案することをめざす。

今年度の研究概要

今年度は、国内のELVリサイクル施設で採取したASRについて、破砕・選別過程ごとの詳細化学分析に着手する。樹脂添加剤(難燃剤、可塑剤)を中心に有害物質データを取得し、ELV部材や過去のASR分析データと比較し、化学物質使用の時系列変化から規制の効果を検証する。その結果にもとづき、物質フロー推定や今後の3Rや廃棄物管理の基礎データを提供する。

外部との連携

研究代表者:酒井伸一 教授(京都大学)、研究分担者:平井康宏 准教授(京都大学)、浅利美鈴 助教(京都大学)、田辺信介 教授(愛媛大学)、高橋 真 准教授(愛媛大学)、由田秀人 取締役(日本環境安全事業(株))

課題代表者

滝上 英孝

担当者