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歴史的な人間活動の履歴が生物多様性の広域パターンに与えた影響の定量的評価(平成 25年度)
Quantitative evaluation of archeological human impact on the current biodiversity pattern in Japan

予算区分
AQ センター調査研究
研究課題コード
1215AQ001
開始/終了年度
2012~2015年
キーワード(日本語)
考古学,歴史生態学,土地利用の遺産,分布推定モデル
キーワード(英語)
archeology, historical ecology, land-use legacy, predictive distribution model

研究概要

先史以降の人間活動の履歴は現在の生物多様性や生態系のパターンにも大きな影響を残している場合があり、それを明らかにすることは生物多様性の保全・復元において、復元目標の設定や復元可能性の評価に有用な視点をもたらすだろう。国家スケールでの生物多様性保全のシナリオを考えるためには、異なる場および年代を相対化して比較し、日本全体における生物多様性に対する人間活動の歴史的な影響のアウトラインを明らかにすることが必要と考えられる。
 本研究では、現在の生物のマクロな分布パターンに残る過去の人間活動の影響に着目し、人間活動がどれくらいの時間スケールで生物の分布パターンに影響を与えてきたかを明らかにする。さまざまな動植物を対象として、歴史的な人間活動とそれらの関係にどのようなバリエーションがあるのかを明らかにすることで、それぞれの年代における人間活動が日本の生物相に対してどのようなフィルタとして作用したかを明らかにする。
 最終的な到達点として、日本全体の生物多様性のパターンを理解するための新たな価値観を提供するだけでなく、保全管理の具体的なプランニングに生かすための道筋をつけることも目指す。その一つには、年代ごとの人間活動の影響に基づく復元目標に応じた指標種選定が挙げられる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究においては、奈良文化財研究所から提供いただいた「遺跡データベース」の年代別遺跡位置情報と、現在の生物の分布域を統計モデルにより関連付けることが中心となる。2012年度は、年代別の遺跡位置情報を空間パターンに基づきクラスタリングし、生物の分布を説明する要因として適切な年代区分を特定する。そして、全国的に分布情報が整備されている大型哺乳類を対象に、各年代の人間活動が現在の分布パターンに残した影響を推定する。2013、2014年度においては、今年度の試行的解析の結果を参考に推定手法の改善を行う。そして、精度の高い分布情報が多くの種について得られる維管束植物、チョウ、トンボ、鳥類などの分類群を対象に、過去の人間活動の影響の分析を行う。それぞれの分類群について、解析に足る程度の広域の分布を持ち、形質や生育環境に関する情報が得られる種を対象種とする。推定結果は似た傾向を持つ種に応じたグルーピングを行い、人間活動との関係に応じた種の類型化を行う。2015年度においては、形質との対応分析により、日本の生物相のパターン形成における人間活動のフィルタがどのようなものであったかを考察するとともに、目標年代別の指標種を明らかにする。

今年度の研究概要

今年度は、哺乳類およびそれ以外の分類群に対し、過去の土地利用が現在の分布パターンに与えた影響を明らかにする。分布情報が豊富に得られている植物・爬虫類・両生類・昆虫類を対象とする。

外部との連携

本研究は、独立行政法人奈良文化財研究所、および東京大学大学院総合文化研究科斎藤昌幸氏との共同研究である。

関連する研究課題
  • 0 : 生物・生態系環境研究分野における研究課題

課題代表者

深澤 圭太

  • 生物・生態系環境研究センター
    生物多様性評価・予測研究室
  • 主任研究員
  • 博士(学術)
  • 生物学,地理学,林学
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