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大気汚染物質の生体影響機序の疫学的検討(平成 25年度)
Mechanism of the association between air pollution and human health: an epidemiologic approach

予算区分
KZ その他公募
研究課題コード
1313KZ001
開始/終了年度
2013~2013年
キーワード(日本語)
疫学,大気汚染
キーワード(英語)
Epidemiology, air pollution

研究概要

大気汚染物質、とくに粒子状物質、の健康影響は、国際的な関心事項である。

粒子状物質の曝露経路は吸入であることから、主な標的臓器は肺であると想定して呼吸器に対する検討をした疫学研究は多い。また、動物実験等から、そのメカニズムも分かってきている。

しかしながら近年、粒子状物質の影響は、肺以外にもおよぶ可能性が指摘されるようになった。例えば、アメリカ心臓学会(American Heart Association)は、これまでの疫学的知見は一貫して PM2.5による循環器疾患による死亡および発症リスクの上昇を認めていると発表した(Brook RD et al. Circulation 2012;121:2331-78)。また、妊娠中の粒子状物質への曝露が胎児の成長・発達(低出生体重、早産など)に影響するという報告もある(Ritz B et al. Basic Clin Pharmacol Toxicol 2008;102:182-90)。これについては、メカニズムがまだよく分かっていない。

そこで、疫学の立場から、大気汚染物質がアウトカムを導くメカニズム解明の糸口となる知見を提示していくことを最終目標に、本研究では、その第1段階として、文献レビューを行うと同時に、曝露データ整理し、アウトカムとなるバイオマーカーを測定している既存コホートとの連携をはかり、関連解析を進めていく。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

文献レビューと同時に、既存コホートとの連携を図り実際の疫学データ解析に進める。

(1)文献レビュー
大気汚染物質とバイオマーカーとの関連に関する疫学研究論文を中心として、可能な限り動物実験等の関連するエビデンスも検索しとりまとめることで、大気汚染物質がアウトカムを導くメカニズムを整理する。また大気汚染を反映するバイオマーカーがないか探索する。

(2)曝露データ整理と既存データを利用した解析 
全国の大気汚染物質データを、既存の疫学研究の情報とリンクできるように加工し、地理情報システムデータとして整理する。また、アウトカムとなるバイオマーカーを測定している既存コホートとの連携をはかり、大気汚染物質との関連解析を進めていく。

今年度の研究概要

同上

外部との連携

共同研究者:岡村智教、武林亨(慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学教室)、西脇祐司(東邦大学医学部 社会医学講座 衛生学分野 教授)、三浦克之(滋賀医科大学 社会医学講座 公衆衛生学部門 教授)

課題代表者

道川 武紘

担当者

  • 新田 裕史
  • 上田 佳代