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発達ステージにおける中間周波電磁界曝露による生体影響評価(平成 24年度)
Evaluation of the biological effects of intermediate frequency magnetic field exposure during developmental stages

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1012CD022
開始/終了年度
2010~2012年
キーワード(日本語)
電磁波
キーワード(英語)
magnetic field

研究概要

電磁界曝露による生体影響については,社会的にも関心が高く懸念を抱く人も多い。最近では、家庭内においてIHクッキングとして電磁誘導を利用した調理器具が普及してきている。IH調理器の利用においては、年齢層の幅広い人の利用、中でも妊娠女性が機器と面した場所での利用などが有り心配されている。WHOの環境保健クライテリアにおいても、研究の推進がうたわれている。我々は、これまでに共同研究にて、低濃度化学物質をマウスに曝露した際の神経・免疫・内分泌ネットワークへの影響評価を幅広く進めてきており,妊娠時の胎児から成獣まで種々のタイミングで曝露を行い各発達ステージでの感受性の相違などについても検討してきた。これらの経験を生かし、まずはIH調理器に相当する中間周波電磁界の曝露装置を作成し、曝露中の温度管理、曝露強度評価など物理的な環境整備が予定通り実施できた。初年度は、主に成獣マウスを用いた実験に実施したところ、電磁界曝露時の拘束ストレスによると思われる体重増加の抑制などがsham exposure群で認められたが、電磁界ばく露の影響は認められなかった。なお、中枢神経系の影響評価に関しては、東日本大震災の影響による停電でサンプルが解析不能となったため、2年目に再度実験を予定する。あわせて、アッセイ系の確立を目指し、実施していたPig-A遺伝子座突然変異検出系は、陽性コントロールとしての放射線照射の系において予定通り確立することが出来た。2年目以降は主に妊娠時マウスに電磁界曝露を実施し、生まれてきた仔マウスに対する影響評価を検討していく予定である。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

電磁界曝露による生体影響については,社会的にも関心が高く懸念を抱く人も多い。最近では、家庭内においてIH クッキングとして電磁誘導を利用した調理器具が普及してきている。IH 調理器の利用においては、年齢層の幅広い人の利用、中でも妊娠女性が機器と面した場所での利用などが有り心配されている。WHO の環境保健クライテリアにおいても、研究の推進がうたわれている。申請者らは、これまでに共同研究にて、低濃度化学物質をマウスに曝露した際の神経・免疫・内分泌ネットワークへの影響評価を幅広く進めてきた。これらの研究においては,妊娠時の胎児から成獣まで種々のタイミングで曝露を行い各発達ステージでの感受性の相違などについても検討してきた。これらの経験を生かし、IH 調理器に相当する中間周波電磁界の曝露装置を作成し、妊娠時のマウスに磁場曝露を行った際の生体影響評価について系統的に実施する。

今年度の研究概要

昨年度は、主に成獣マウスを用いて全身磁界曝露実験を実施した。今年度も全身曝露実験を実施するとともに、新たに妊娠マウスにおける腹部局所曝露実験系を確立し、実験を行う。 
(1)変異原性に関連する指標を解析; i)酸化ストレスマーカー8-OHdGの測定、ii)網状赤血球小核試験、iii)体細胞遺伝子突然変異の解析(以上欅田が担当) (2)免疫系への影響評価; i)免疫担当細胞分画の検索;磁界曝露によって免疫担当細胞であるBリンパ球、Tリンパ球およびそれらの分化度について細胞表面マーカーをFACSにて解析する。ii)Th1/Th2バランスへの影響評価;血清中あるいは脾細胞培養上清中の各種サイトカイン・ケモカインの産生量をELISA法にて測定することで免疫系ネットワークおよびTh1/Th2バランスへの電磁界曝露の影響を評価する(以上欅田およびTinTinが分担担当する)。 (3)中枢神経系への影響評価;これまでに低濃度化学物質曝露による影響評価を動物実験にて解析してきており、その中で大脳辺縁系に対する影響研究を低濃度ホルムアルデヒド・トルエン曝露などを通して検索してきた。同様の手法を用いて磁界曝露により中枢神経系への影響評価を実施する。i)神経の成長・分化にかかわる神経栄養因子(NGF)の遺伝子発現および蛋白レベルを解析する。ii)海馬における記憶に関連する遺伝子群であるNMDA受容体NR2AmRNA,CaMKIVmRNA,及びCREB1mRNA等についてリアルタイムPCRによるmRNA発現の相違を比較検討する。iii)中枢神経系における各種サイトカイン・ケモカインの産生量および遺伝子発現に対する磁界曝露の影響をELISA法およびリアルタイムPCRにて比較検討する(以上TinTinが分担担当する)。
 以上により、磁界曝露影響評価の基礎を築く。(東日本大震災に伴う夏期の節電、計画停電のため、実験内容を変更することもあり得るが、出来る限り上記計画を遂行できるように予定する)

外部との連携

(研究代表者)欅田 尚樹 (国立保健医療科学院・生活環境研究部・部長)
   牛山 明  (国立保健医療科学院・生活環境研究部・上席主任研究官)

課題代表者

TIN-TIN-WIN-SHWE

  • 環境リスク・健康研究センター
    生体影響評価研究室
  • 主任研究員
  • M.D., Ph.D (Medical Science)
  • 医学,生理学,生化学
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