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難循環ガラス素材廃製品の適正処理に関する研究(平成 24年度)
Study on the appropriate treatment of glass wastes with difficulty in recycling

予算区分
BE 環境-推進費(補助金)
研究課題コード
1113BE002
開始/終了年度
2011~2013年
キーワード(日本語)
廃ガラス,適正処理,リサイクル
キーワード(英語)
waste glass, appropriate treatment, recycle

研究概要

廃電気電子機器類中のガラス素材、特にブラウン管ガラスや薄型テレビ等のパネルガラスは、鉛やヒ素を含有し、リサイクルの困難な難循環廃製品といえる。循環・廃棄過程での環境影響(飛散・溶出)が潜在していることから、これら有害物質を除去しなければ有効利用も最終処分も環境影響が懸念される。本研究では、これら有害物質を含むガラス素材からの有害物質除去を目的とした実験的な処理技術の検討を行う。熱力学的解析及び熱分析による基礎検討結果をもとに、塩化揮発法、還元溶融法及び溶融分相法について実験的検討を行い、これら処理技術の適用可能性を評価する。塩化揮発法では、無機塩素化合物と共に、塩ビ(PVC)の廃製品を塩素源とし、プラスチックの難循環製品といえるPVCの処理技術への適用性についても併せて検討する。以上の実験的検討と共に、ブラウン管及び液晶パネル等のマテリアルフロー解析を行い、廃電気電子機器類のガラス素材の適正処理のあり方を展望し、処理技術を最適化する上での基礎的情報とする。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

1. ブラウン管ガラスからの鉛の分離回収に関する研究
(1) 塩化揮発法:塩素源として無機薬剤及び有機薬剤を用いた、ガラス素材との基礎的な混合加熱実験から最適条件を確定し、本技術の評価を行う。
(2) 溶融分相法:ホウ素系薬剤によりガラスから鉛を分相除去最適条件、また分相後のガラスから酸を用いた鉛の回収における最適条件を求め、本技術の評価を行う。
(3) 還元溶融法:還元雰囲気での溶融実験を行い、鉛の熱分離特性を確認し、最適条件(還元剤の種類、混合割合等)を求め、本技術の評価を行う。
(4) 上記3種類の鉛分離回収方法のエネルギー試算および環境影響評価を行い、適用性の評価を行う。
2. パネルガラスからのヒ素等の分離回収に関する研究
塩化揮発法及び還元溶融法について、ブラウン管ガラスからの鉛の分離回収実験と同様の実験を行い、各技術の評価を行う。
3. ブラウン管及び液晶・プラズマパネルのマテリアルフロー解析
 廃電気電子機器類のガラス素材に注目したマテリアルフローモデルを開発する。

今年度の研究概要

ブラウン管ガラスからの鉛の分離回収に関する研究に関して、塩化揮発法の検討を進め、塩素源として無機薬剤及び有機薬剤の混合による鉛の分離除去特性を実験室レベルで行い、最適条件(加熱温度、加熱時間、添加剤混合割合)等を確定する。また、処理物について、溶出試験による環境影響評価を行う。

外部との連携

代表研究者:東北大学大学院環境科学研究科 吉岡 敏明、分担研究者:愛媛大学 貴田 晶子、京都大学 浅利 美鈴、鳥取県衛生環境研究所 門木 秀幸、京都大学 藤森 崇

課題代表者

滝上 英孝