- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1012CD002
- 開始/終了年度
- 2010~2012年
- キーワード(日本語)
- 都市鉱山,レアメタル,収集システム,鉄鋼業,非鉄金属精錬業
- キーワード(英語)
- URBAN MINE, RARE METAL, COLLECTION SYSTEM, STEEL INDUSTRY, NONFERROUS METAL INDUSTRY
研究概要
視点の変更による既存の技術システムの再構築により、鉄鋼業を基軸とした循環利用(スクラップのフェロアロイ代替等)によるレアメタル回収システムと非鉄金属製錬業を基軸とした製錬プロセスごとのレアメタル回収システムの提案を目的とする。本研究は、a) 既存の技術システムの再構築、b) レアメタル発生ポテンシャルの推計と収集システムの構築のための方法論の開発と適用、c) 地域の鉄鋼業・非鉄金属製錬業を基軸とした地域ごとのレアメタル回収システムの構築、で構成される。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:政策研究
全体計画
a) については、研究期間前半で非鉄金属製錬技術、解体・分離・選別技術(濃縮技術)の目録を作成し、2年目が終了するまでにこれらの組み合わせによって、効率的なレアメタルの回収システムを提案する。b) については、研究期間前半で方法論の検討を行うとともに、合わせて推計とケーススタディーを開始し、3年目の前半までにポテンシャル推計と収集システム構築を終える。c) については、研究期間前半で既存施設の立地と技術情報の収集を行い、上記をもとに2年目、3年目に地域ごとの回収システムを検討し、提案を行う。
今年度の研究概要
a) 既存の技術システムの再構築
・レアメタル回収に適した非鉄金属製錬技術、およびそれと組み合わせることによって回収効率を向上させることのできる解体・分離・選別技術(濃縮技術)の目録を引き続き作成する。この技術目録からの組み合わせによって、基軸となる製錬技術ごとの効率的なレアメタル回収システムを構築する。具体的には、基軸となる製錬技術の前後に必要となる技術を選定して技術システムとして組み直す。また、鉄鋼業については、スクラップ規格の導入、およびその時の最適な原料配合率などの検討を通じて鉄鋼材に含まれるレアメタルを有効に活用するシステムを引き続き検討する。
・家庭から発生する粗大ゴミおよび小型電子機器からの素材リサイクルの評価をTMRの観点から行う。特に鉄スクラップ、アルミスクラップについて、多種の都市鉱山から得られるものと比較し、最適なスクラップソーティングについて検討を行う。
b) レアメタル発生ポテンシャルの推計と収集システムの構築のための方法論の開発と適用
・全国レベルでの推計の方法論などを踏まえ、地域別のレアメタル発生ポテンシャル推計のための方法論を、地域の範囲、データの利用可能性などを考慮しつつ、トップダウンおよびボトムアップの両アプローチから引き続き検討する。また、自治体へ排出される電気電子製品の排出量および内訳データや各自治体における処理方法の詳細情報を追加、蓄積し、一般廃棄物処理における電気電子製品および含有金属フローを精緻化する。
・これまで開発してきた自治体による収集・運搬シミュレーションモデルを用いて、考え得るシナリオにあわせたシミュレーション等を行う。
c) 地域の鉄鋼業・非鉄金属製錬業を基軸とした地域ごとのレアメタル回収システムの構築
・鉄鋼および非鉄金属(銅・鉛・亜鉛等)を対象として金属の物質循環に関わる産業の地理的情報およびインフラキャパシティの把握と解析を行う。また、愛知県を対象として、自動車用鋼中レアメタルのリサイクル、特に老廃スクラップ中レアメタルの影響を調査する。
・以上の検討をもとに、地域ごとの既存の製錬施設を基軸とした地域ごとのレアメタル回収システムを検討する。
外部との連携
研究代表者:橋本征二(立命館大学)
研究分担者:村上進亮(東京大学)、山末英嗣(京都大学)、平木岳人(東北大学)
備考
当課題は、重点プロジェクト1「国際資源循環に対応した製品中資源性・有害性物質の適正管理」および重点プロジェクト3「地域特性を活かした資源循環システムの構築」にも関連