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一般家庭およびオフィス等の室内環境中化学物質リスクの包括的評価と毒性同定評価(平成 23年度)
Risk assessment of hazardous chemicals during the product life cycle in house and office environments

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1114CD003
開始/終了年度
2011~2013年
キーワード(日本語)
ハウスダスト,バイオアッセイ/化学分析,難燃剤
キーワード(英語)
indoor dust, in vitro bioassay combined with chemical analysis, flame retardants

研究概要

本研究では、in vitroバイオアッセイ/化学分析/in vivo毒性試験を統合して室内環境に存在する化学物質リスクの包括的評価と毒性同定評価を行い、室内の生活環境や労働環境でモニタリング及び詳細なin vivo試験を実施すべき優先評価化学物質を、科学的根拠に基づいて提示することにある。具体的には、(1)国内外の生活環境や労働環境で採取したハウスダストを用いた室内環境に存在する化学物質リスクのキャラクタリゼーション、(2)国内の室内環境に存在する毒性リスクに関連する化学物質の検索同定、(3)同定化学物質のin vivo毒性試験、(4)in vivo毒性を示す化学物質の定量分析による毒性同定評価とヒト曝露評価、これら課題を実施して研究目的を達成する。本研究の着実な実施によって、室内に設置されている家庭系製品等の使用時の明らかにされていない化学物質リスクを明示できる可能性がある。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

生活環境や労働環境に存在するモニタリング及び詳細なin vivo試験を実施すべき優先評価化学物質リストを提示するために、申請研究では、4つの研究課題、すなわち(1)国内外の生活環境や労働環境中ハウスダストを用いた室内環境化学物質の包括的リスク評価、(2)室内環境に存在し毒性リスクに関与する高活性化学物質の検索同定、(3)同定化学物質のin vivo毒性試験、(4)in vivo毒性を示す化学物質の定量分析による毒性同定評価やヒト曝露評価を順次遂行する。

<平成23年度>
(1)国内外のハウスダストを用いた室内環境中化学物質リスクの包括的評価

<平成24年度以降>
(2)室内環境中化学物質としての難燃剤等樹脂添加剤によるリスクの包括的評価
(3)国内の室内環境に存在する毒性リスクに関連する化学物質の検索同定
(4)ハウスダストで同定された化学物質のin vivo試験
(5)定量分析によるin vivo毒性化学物質の毒性同定評価とヒト曝露評価

今年度の研究概要

平成23年度は、日本、アメリカ、フィリピン、ベトナム及びインドネシアの生活環境や労働環境で採取したハウスダスト中化学物質をin vitroバイオアッセイ・バッテリーで包括評価する。In vitroバイオアッセイの包括活性評価値の検出傾向やレベルを評価して、国内外の室内環境に存在する化学物質リスクのキャラクタリゼーションを解析し、汚染の一般性の評価や優先評価すべき重要なエンドポイントの選定を行う。既報のハウスダスト研究では、濃硫酸処理及び硫酸シリカゲルカラム処理によって酸分解性化学物質(PAH類等)を除去しているが、本研究では酸処理等を実施せず多様な活性物質の評価を行う。また、優先評価すべき重要なエンドポイントに関連する化学物質の検索同定へ向けたアプローチの一環として、近年ハウスダストから非常に高い濃度で検出され、国際的・学術的に懸念・関心が高まっている難燃剤のin vitroバイオアッセイ・バッテリー評価に着手する。

備考

当課題は、萌芽的な基盤研究「資源循環・適正処理を支援する基盤技術研究(ハード系基盤研究)」にも関連。

課題代表者

鈴木 剛

  • 資源循環領域
    資源循環基盤技術研究室
  • 主幹研究員
  • 農学博士
  • 生化学,化学
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