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阿寒湖マリモの遺伝的多様性と生活史の解明に関する研究(平成 23年度)
Research on the genetic diversity and life cycle of spherical moss (Aegagropila linnaei)

予算区分
AQ センター調査研究
研究課題コード
1112AQ004
開始/終了年度
2011~2011年
キーワード(日本語)
マリモ,遺伝的多様性,ITS
キーワード(英語)
Aegagropila linnaei, genetic diversity, ITS

研究概要

阿寒湖のマリモは特別天然記念物で「糸状体→球状体→球状体の成長→球状体崩壊」を繰り返す生活史を持つと推定されているが証明されていない。また、地元で検討されているマリモの再生事業が計画されており、再生事業を成功させるには、阿寒湖内のマリモ個体群の遺伝的背景を明らかにした上で移植元個体群の選定をおこなう必要がある。また、上記の推定生活史を検証することによって、球状体を移植すべきか、糸状体の移植でも事足りるのかを明らかにすることも必要である。
過去3年の研究により、阿寒湖北部のマリモにはITS領域の塩基配列変異に基づき、少なくとも5つの遺伝子型(I〜V型)が認められることが判った。本提案課題では、釧路市阿寒湖エコミュージアムセンター、千葉大学と協力しながら、奨励研究時には採取できなかった阿寒湖南部を含む湖内全域から試料を採取してITS領域の塩基配列解析を行い、阿寒湖全域におけるジェネット分布の概況を明らかにすること、およびマリモ生活史の検証を目標とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

阿寒湖内のマリモ個体群の遺伝的多様性と生活史を解明するために以下の研究を行う。

サブテーマ1 阿寒湖内のマリモ個体群の遺伝的多様性の解明

(1) 阿寒湖内のマリモ個体群をITS領域の塩基配列の違いによって類型化し、湖内のジェネットの分布について明らかにする。

(2)絶滅地のボーリングコア試料よりDNAを抽出し、絶滅地に存在していたマリモの遺伝子型を調べる。

サブテーマ2 阿寒湖内のマリモ個体群の生活史の解明

(1)球状マリモ内の糸状体の遺伝子型や核相を詳細に調べ、マリモの推定生活史を検証する。

今年度の研究概要

サブテーマ1 阿寒湖内のマリモ個体群の遺伝的多様性の解明

(1)既に阿寒湖北部から採取した試料の解析を完了させる。糸状体からDNAを採取し、ITS領域をPCRで増幅して塩基配列を決定し、マリモのジェネットの分布を明らかにする。

(2)藻体採取が可能になる夏期に採取できなかった湖域を中心に100個体程度のマリモを新たに採取し、採取場所をGPSで記録する。

(3)(1)と同様に、採取したマリモからDNAを抽出し、ITS領域をPCRで増幅する。増幅されたDNAの塩基配列を決定し、ITS遺伝子型を明らかにする。

サブテーマ2 阿寒湖内のマリモ個体群の生活史の解明

(1)球状型、浮遊型、付着型など、集合型マリモ内部のいろいろな部位から糸状体を選抜してDNAを抽出し、それぞれのITS遺伝子型を調べ、マリモ集合体内の遺伝子型空間分布と形状型間の遺伝的関係を解明する。

(2)マリモ糸状体に含まれる核DNA量をフローサイトメトリーで測定する条件を検討し、球状型、浮遊型、付着型のマリモ糸状体の核相を解明する。

外部との連携

釧路市阿寒湖畔エコミュージアムセンター マリモ研究室
千葉大学 理学部

備考

本研究は釧路市教育委員会 阿寒湖畔エコミュージアムセンターの協力を得て実施している。

関連する研究課題

課題代表者

中嶋 信美

  • 生物・生態系環境研究センター
    環境ゲノム科学研究推進室
  • 室長
  • 農学博士
  • 生物学,農学,生化学
portrait

担当者

  • 西沢 徹