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植物のオゾン被害とストレス診断に関する研究(平成 23年度)
Study on injury caused by ozone and stress diagnosis in plants

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
0911AH001
開始/終了年度
2009~2011年
キーワード(日本語)
アサガオ,遺伝子発現,オゾン,ストレス診断,野生植物
キーワード(英語)
Ipomoea nil, gene expression, ozone, stress diagnosis, wild plant

研究概要

近年、東アジアを中心とする全地球的な対流圏オゾン濃度の上昇が指摘され、オゾンは局地的な大気汚染ガスであるばかりでなく、地球規模での生態系や人間活動に対する深刻な脅威であると認識されるようになっている。特にオゾンの影響による森林の減少や農作物の減収等が強く懸念されていることから、植物被害の機構解明と共に、我が国各地の植物被害の実態の把握が急務であると考えた。そこで、各地方環境研究所等における植物(アサガオ)被害に関する共同調査を継続し、中長期的な被害実態の把握を目指す。また、これまでに開発した遺伝子発現を用いた植物のオゾンストレス診断手法を改良し、実際の植物被害調査への利用を拡大することを目的とする。目標は、開発した手法を用いて、アサガオ等オゾン指標植物の野外におけるオゾンストレス診断を実際に行なうともに、市民の理解を深めるために研究結果の普及をはかることである。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

1.各調査地点で植物(アサガオ等)の光化学オキシダント被害の実態調査を行う。
2.各調査地点で被害発現の程度が異なるアサガオ葉を採取し、オゾン応答遺伝子の発現や構造の解析を行う。一部は地環研等でも遺伝子発現解析を行なう。
3.一部参加地環研と国環研において、ブナなど野外の植物のオゾン応答遺伝子の塩基配列情報収集等を行い、一部は発現解析を行う。
4.植物被害情報の共有化を図るとともに、被害の数値化や、被害発現に係る諸条件(大気汚染、気象条件、土壌等)について検討を行う。
5.遺伝子解析の成果に基づき、オゾンによる被害を的確に反映し、診断に使用できるような新規遺伝子の選定を行う。
6.選定した遺伝子の発現解析手法の検討を行い、野外におけるアサガオ等のオゾンストレスを遺伝子発現解析によって診断する手法の確立を目指す。
7.植物に現れる被害をとおして、大気汚染(光化学スモッグ)の状況を市民に理解してもらうことを目的として、本研究の結果の普及をはかる。具体的には市民向け調査マニュアル等を作成し、参加自治体の実状に応じて利用する。また、遺伝子発現を用いたストレス診断の成果も、オゾンの植物影響に対する市民の理解を深めるために活用する。

今年度の研究概要

各研究機関において、場内で生育させたアサガオについて、夏季の光化学オキシダントによる可視被害の調査を行うとともに、6月にオゾンによる可視障害が出現する前の葉(無傷葉)、7、8月にオゾンによる可視障害が出現した直後の葉(被害葉)、及びその際に被害が出現しなかった葉(無被害葉)を採集し、国環研に送付する。国環研では、送付された試料等の遺伝子発現解析を行い、野外でのオゾンストレス診断に用いる遺伝子を選抜する。また、植物の可視被害をとおして、大気汚染の実情を市民に理解してもらうため、本研究の結果を活用した市民向け調査マニュアル等を作成し、参加自治体の実状に応じて利用する。

外部との連携

埼玉県環境科学国際センター(三輪誠)、千葉県環境研究センター(岡崎淳)(代表)、神奈川県環境科学センター(武田麻由子、小松宏昭)、静岡県環境衛生科学研究所(金子智英)、名古屋市環境科学研究所(山神真紀子、中島寛則、岡村祐里子)、鳥取県衛生環境研究所(盛山哲郎、湊 沙花)、福岡県保健環境研究所(中村朋史、須田隆一)、東京都環境科学研究所(オブザーバー(横山仁))

関連する研究課題

課題代表者

青野 光子

  • 生物・生態系環境研究センター
    環境ストレス機構研究室
  • 室長
  • 博士(理学)
  • 生物学,生理学,生化学
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担当者

  • 久保 明弘