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化学物質リスク管理の戦略的アプローチに関する研究(平成 23年度)
Study on strategic approach of chemical risk management and control

研究課題コード
1115AA033
開始/終了年度
2011~2015年
キーワード(日本語)
環境リスク,化学物質,戦略的アプローチ,評価と管理
キーワード(英語)
environmental risk, chemicals, strategic approach, risk assessment and management

研究概要

多様な影響や特性を持つ多数の化学物質に対して、効果的かつ効率的な管理が求められている。本プロジェクトでは、物質や環境の特性に基づく動態や曝露の時空間分布の詳細な評価手法の開発、また、物質ライフサイクル上の曝露の特性把握の検討を行う。さらに人や生物へのリスク特性や科学的知見の確からしさなどを考慮する戦略的なリスク管理のあり方について考察を行う。具体的には、(1)化学物質動態と曝露の時空間分布の評価手法の研究、および(2)化学物質リスクに対する社会における管理のあり方に関する研究、の2サブテーマ構成で研究を進める。これらの検討成果により、化学物質リスク管理の新たな戦略的アプローチの構築に資することを目的とする。

 具体的には、以下の2サブテーマにより研究を進める。
(1)化学物質動態と曝露の時空間分布の評価手法の研究
(1-1)時空間変動を持つリスク要因への評価手法を、時間変動を考慮した農薬類の排出・環境濃度の予測手法と水生生物へのリスク予測手法の検討を事例として検討する。これにより、時空間変動の新たなリスク評価手法として確立する。
(1-2)物質ライフサイクル上の新たな排出・曝露シナリオを、難燃剤、PFOS等を事例として検討する。これにより、排出・曝露特性の新たな評価手法を確立する。
(1-3) POPs等の全球多媒体モデル、排出量の再推定モデル、不確実性解析モデルの構築を行う。これにより得られる排出・汚染の地球規模の空間分布を公平性の視点から評価する手法を検討し、新たな評価手法として確立する。
(2)化学物質リスクに対する社会における管理のあり方に関する研究
時空間分布、物質ライフサイクル、人や生物への影響など多様なリスク要因とその科学的知見の確からしさ、リスクに関わる社会の諸主体の特性などを総合して、また企業のリスク管理行動などの経済分析もあわせ、社会におけるリスク管理戦略のあり方について考察する。

 以上により、化学物質動態と曝露の時空間分布、また物質ライフサイクル上の排出・曝露特性の新たな評価手法を提供し、さらにこれら新たな評価手法に基づく社会におけるリスク管理の新たな戦略的アプローチのあり方の構築に資する。

今年度の研究概要

(1)化学物質動態と曝露の時空間分布の評価手法の研究
(1-1)時空間変動を持つリスク要因への評価手法については、水田農薬を対象とした環境中実態調査を進め、水田除草剤を対象とした排出推定モデルの精度を検証する。同時に、水田殺虫剤・殺菌剤に対象を広げるためのモデル改良を進める。また全国の河川中の時空間濃度変動データを用いた水生生物へのリスク評価手法の検討を進める。

(1-2)物質ライフサイクル上の新たな排出・曝露シナリオの検討については、臭素系難燃剤またフッ素化合物についての排出係数等の調査を行い、次いで既存研究蓄積から予備的な排出シナリオの構築を行う。それぞれのシナリオ構築の基礎方法論とデータを整備する。

(1-3) PCBsを対象とした全球多媒体モデル(FATE)を完成させる。排出量再推定モデルに必要となる観測データベースを整備する。また、人口分布、経済指標などのデータ整備、地域間公平性の観点から環境汚染の地域分布を考察した事例について文献調査を実施する。

(2)化学物質リスクに対する社会における管理のあり方に関する研究
社会におけるリスク管理戦略のあり方の検討については、リスクに関わる多様な事例を収集し、それらの分類枠組みの構築を試みる。そのため、リスクに関する多様な事例について、リスク要因、科学的知見の蓄積、社会におけるリスク基準、およびさまざまな社会の諸主体によるその受け止め方との関係性を軸に分類することを目的に、これらの軸の取り方について検討する。また、物質代替等の企業のリスク管理行動に関する経済分析の検討については、難燃剤既存事例の情報収集と解析方針の検討を行う。

外部との連携

京都大学
愛媛大学

備考

資源循環・廃棄物研究センター、社会環境システム研究センター

課題代表者

鈴木 規之

  • 環境リスク・健康研究センター
  • センター長
  • 博士(工学)
  • 工学,化学,土木工学
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担当者