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廃棄物最終処分場における埋蔵金属資源価値の評価および有用金属の回収に関する研究(平成 22年度)
Evaluation of reserved resource value of metals in waste landfills for effective recovery

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1011CD008
開始/終了年度
2010~2011年
キーワード(日本語)
廃棄物埋立地,レアメタル,バイオリーチング,金属資源価値
キーワード(英語)
waste landfills, rare metals, bioleaching, metal resource value

研究概要

有用金属(レアメタル、コモンメタルを含む)に関する資源価値は年々増加しており、世界各国で金属資源のナショナリズムが高まっている。我が国は、一部国内で採掘可能なレアメタルの産出・生産を除けば、金属資源の大部分を他国に依存していることから、資源確保の方策について検討する必要性が高まっている。製品や材料に含有されている金属資源の有効活用はその一手段であるが、製品中の金属含有量に関する規制も高まる中、現在の流通品だけを対象とするのは持続可能な資源確保の主要な手段には成り得ない。一方で、過去に流通した製品のうち含有金属が再資源化されず、処理処分された成分の多くは最終処分場に集積されており、その蓄積埋蔵量は相当量に上ることが推測される。本研究は、廃棄物最終処分場の有する有用金属類の利用可能性を評価し、都市鉱山として位置づけるための技術的な情報を提供することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

廃棄物中に含まれる有用金属類の可溶化および回収に関する技術開発ならびに実現可能性
の評価を目的とした研究として、最終処分場における埋蔵金属量の評価、バイオリーチングを用いた処分場からの埋蔵金属類の可溶化、および処分場における金属類の消長に関する実態調査、から成る三つのサブカテゴリーにて研究を実施する。さらにそれらの研究成果を統合し、最終処分場からの有用金属資源の回収ポテンシャルを示すとともに、バイオリーチングの実用化に向けた科学的な知見と技術的な留意事項を提供する。研究実施に関しては、実処分場での実態調査と実験室レベルでのカラム実験を相補的に実施することで、バイオリーチングによる有用金属回収の実用化に向けた成果を得ることを計画している。

今年度の研究概要


最終処分場に埋蔵されている有用金属類について、安全性管理の観点からは移動性の低さを評価するが、資源利用性の観点からは、溶解性および移動性を高めるための方策について検討する必要がある。また、埋設形態や濃度の分布に応じた適切な回収技術の選定も必要である。そのため初年度は、固形廃棄物に対する化学・生物的リーチングによる金属溶出の適用性について実験的に検討する。特に効率的なバイオリーチングを実施することを目的として、電気的培養によるサイクリックな鉄供給による鉄酸化細菌の培養の焼却灰への適用を試みる。最終的には固層に対して適用することを想定した上で、利用する溶媒ならびに微生物種の選定を行う。クロム、ニッケル、アンチモンなどのレアメタルに加え、亜鉛、銅、鉛などのコモンメタルも含めた有用金属類を対象とする。

備考

福井県衛生環境研究所・田中研究員

課題代表者

石垣 智基

  • 資源循環領域
    廃棄物処理処分技術研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(工学)
  • 生物工学,工学,化学工学
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