- 予算区分
- AE 経常
- 研究課題コード
- 0710AE525
- 開始/終了年度
- 2007~2010年
- キーワード(日本語)
- ごみ処理手数料有料制,リサイクル,非効率性
- キーワード(英語)
- UNIT PRICING, RECYCLING, INEFFICIENCY
研究概要
循環型社会システム構築のために、ごみ排出量の削減、リサイクル、再利用の促進が重要な政策課題となっている。近年各自治体においてごみ有料化制度の導入が急速に進んでいるが、導入後5年で一割以上の削減を実現した自治体もある一方で、導入数年後にごみの排出量が導入前の水準にまで戻ってしまった自治体もあり、有料化に対する、自治体の効果の評価にはばらつきがある。また、国内外で有料制のごみ削減効果に関する研究が多く見られるが、その削減効果の有効性に関して結論が分かれる。中環審廃棄物・リサイクル意見具申(案)では、循環型社会に向けた取組として、経済的手法(有料化)の推進、一般廃棄物処理コスト分析や効率化の推進の必要性をあげ、十分な減量効果発揮のために必要な料金設定の必要性を述べている。
本研究は、有料化の有効性を評価し、廃棄物処理費用を分析し、望ましい廃棄物政策のあり方を明らかにする。
研究の性格
- 主たるもの:政策研究
- 従たるもの:
全体計画
本研究では、以下の研究を実施する。
(1)家計のごみ排出およびリサイクル活動に関する家計調査の実施(2007年度)
家計のごみ排出、リサイクル活動に関する家計調査(毎月同一家計を対象にして12ヶ月)を実施し、分析のためのデータを収集する。
(2)ごみ排出関数の推計とごみ排出の決定要因の分析(2008〜9年度)
収集したパネルデータを用いて、家計のごみ排出関数を推計し、ごみ処理手数料やその他廃棄物に関する行政サービスの制度設計がごみ排出量に及ぼす影響を分析し、ごみ処理手数料有料制の削減効果を推計する。
(3)リサイクル行動関数の推計(2010年度)
収集したパネルデータを用いて、家計のリサイクル行動(資源ごみの排出行動)を推計し、ごみ処理手数料やその他廃棄物に関する行政サービスの制度設計が家計の資源ごみのリサイクル率に及ぼす影響を分析する。
(4)廃棄物事業の非効率性の推計とその要因分析(2009〜2010年度)
市町村レベルの廃棄物事業に関するパネルデータを収集し、それを用いて、廃棄物事業の非効率性を推計した上で、非効率性を生み出す要因について分析する。
今年度の研究概要
(1)家計のごみ排出行動をモデル化し、収集したデータを用いて、モデルのパラメータ推計を行う。そのモデルを用いて、ごみ処理手数料の有料化やごみ処理事業(分別数、回収頻度など)がごみ排出行動に及ぼす影響について分析する。
(2)事業所の廃棄物事業の費用を分析し、その非効率性を推計するためのフレームワークを検討する。
備考
東京工業大学:島根哲哉
浜国立大学:馬奈木俊介
- 関連する研究課題
- : 重点2ー関連1循環型社会実現に資する経済的手法、制度的手法に関する研究
- 0 : その他の研究活動
課題代表者
日引 聡
- 社会システム領域
- 連携研究グループ長
- 経済学