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日本における土壌炭素蓄積機構の定量的解明と温暖化影響の実験的評価(平成 21年度)
A quantitative analysis of the mechanisms of soil organic carbon accumulation and an experimental evaluation of their effects on climate change

予算区分
AG 特別研究
研究課題コード
0911AG006
開始/終了年度
2009~2011年
キーワード(日本語)
土壌炭素,滞留時間,土壌炭素動態モデル,放射性炭素,加速器質量分析計,土壌圏,温暖化,土壌炭素脆弱性
キーワード(英語)
soil carbon, residence time, soil carbon dynamics model, radiocarbon, AMS, pedrosphere, global warming, soil carbon instability

研究概要

核実験起源放射性炭素同位体をトレーサーに用いて、土壌有機炭素の分解速度を表す滞留時間を計測することにより、黒ボク土を初めとする日本特有の土壌における炭素蓄積機構を解明する。加えて、土壌培養実験を行い、分解速度の異なる炭素プールごとに温度変化に対する分解特性を求め、温暖化による土壌炭素蓄積の変化を予測するための基礎データを取得し、温暖化の下での炭素貯留の持続性について検討する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

1960年代の核実験に由来する14C(bomb 14C)は、数年〜十年スケールのトレーサーとして有効で、特に易分解性の有機炭素の滞留時間の計測が可能である。そこで、日本の代表的な土壌を対象に、以下の二つのサブテーマに絞って研究を実施する。
(1)日本の土壌炭素蓄積機構の解明
比重や粒径など物理的な方法、アルカリ・酸処理など化学的な方法によって、土壌を分解率の異なる画分に分離する。これらの土壌分画毎に炭素量を求めるとともに、加速器質量分析計(AMS)による14C分析に基づき、分解速度(滞留時間)を定量的に評価する。加えて、X線回折およびNMRを用いて、土壌分画毎の分子構造を評価し、炭素蓄積における鉱物(Al, Fe等)の影響を検討し、土壌に蓄積する炭素の存在形態を明らかにする。
H22年度より、1)のサブテーマに加え、以下のサブテーマ(2)についても実施する。
(2)土壌有機物分解における温暖化影響の評価
採取した土壌の室内培養実験、野外での土壌加温実験による温暖化実験を行う。これら温暖化実験を行った土壌を用いて、1と同様の手法で土壌分画毎の分解速度を求め、土壌分画毎の温度変化に対する分解特性を実験的に評価する。また、土壌から放出されるCO2を採取し、14C測定を行い、分解起源を明らかにする。
以上の実験を実施することにより、分解特性の異なる土壌炭素プール毎の分解速度が日本で初めて実測データが求められる。この結果、炭素画分の実際の循環を押さえることが可能となり、アジアモンスーン地域において火山灰を母材とする日本の土壌炭素分解・蓄積プロセスの解明につながり、炭素貯留の持続性を検討が可能となる。

今年度の研究概要

今年度は、日本の土壌炭素蓄積機構の解明するため、日本の代表的な土壌試料の採取を行う。採取した土壌について、比重や粒径など物理的な方法、アルカリ・酸処理など化学的な方法を適用し、分解率の異なる土壌画分に分離する。分画された土壌試料について、それぞれの炭素量を求めるとともに、加速器質量分析計(AMS)による14C分析を行い、それぞれの分解速度(滞留時間)を計測する。加えて、X線回折およびNMRを用いて、土壌分画毎の分子構造を評価し、炭素蓄積における鉱物(Al, Fe等)の影響を検討し、土壌に蓄積する炭素の存在形態を明らかにし、火山灰性土壌からなる日本の土壌における炭素蓄積機構に関する知見を得ることをめざす。

課題代表者

内田 昌男

  • 環境計測研究センター
    動態化学研究室
  • 主任研究員
  • 博士(農学)
  • 化学,地学,理学
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担当者