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発生工学を用いた新規の鳥類人工繁殖手法(平成 21年度)
Biotechnological new methods for the reproduction of birds.

予算区分
AG 特別研究
研究課題コード
0911AG002
開始/終了年度
2009~2011年
キーワード(日本語)
生殖幹細胞,生殖巣キメラ,細胞融合,iPS細胞,長期培養
キーワード(英語)
germline stem cells, germline chimera, cell fusion, iPS cells, long-term cultivation

研究概要

従来の手法によっては絶滅を食い止められない鳥類種を最新の発生工学的手法によって救済することを目的とし、実験鳥類で確立した始原生殖細胞(PGC)の移植による生殖巣キメラ個体作出法により絶滅危惧鳥類の遺伝的多様性維持を目指す。またモデルとする絶滅危惧鳥類の体細胞からPGCを創出し、これを用いた子孫個体作出法の開発も併せて行う。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

既に細胞の特性を保ったままで鳥類の始原生殖細胞(PGC)の長期培養を可能としており、これを初期発生の時期に移植することで移植PGC由来の子孫個体を希少種でも得ることは可能と考えている。また、体細胞核と一般種のPGCを用いた融合PGCの作出効率を向上させることで、同種内での遺伝的多様性を保持させることが飛躍的に容易となると考える。そのために、以下の研究を遂行し、最終的にはモデル希少鳥類種(ヤンバルクイナ、他の肉食希少鳥類種)への応用(新規の個体繁殖法、飼育・繁殖研究、野生復帰)を試行する。
1)融合始原生殖細胞による生殖巣キメラ個体作出法の開発(国立環境研究所)
 体細胞とPGCの融合効率を向上させるために、1対1の細胞接触を高率に再現する細胞電気融合系を確立し、生殖巣キメラでの子孫創出を行う。
2)鳥類iPS細胞株からの始原生殖細胞作製(国立環境研究所、東北大学)
 体細胞からiPS細胞(induced pluripotent stem cells)株を樹立して、個体作出に必要なPGCへと分化誘導する条件を開発することを目指す。
3)生殖巣キメラ個体を用いた子孫個体作出研究(国立環境研究所、NPOどうぶつたちの病院)
 破卵から回収するPGCを活用してヤンバルクイナの異なるハプロタイプ間での生殖巣キメラ個体を作出する。また一部のPGCは増殖培養し、生殖巣キメラ個体(同種及び異種間)として子孫個体を作出する。

以上の研究を実施し、その成果を有機的に活用することによって、希少野生鳥類個体の生息域外保全の手法を開発する。

今年度の研究概要

実験鳥類を用いた生殖幹細胞の長期大量培養法の開発を行って、異種間生殖巣キメラ個体作成に必要な生殖幹細胞を大量に取得する手法を得る。また、同種間で体細胞と生殖幹細胞の間での細胞融合による細胞を作成すると共に、これを開発した生殖幹細胞培養法を用いて通常のサイズの生殖幹細胞となるまでin vitroで培養を行って、同種異系統の胚に移植する。これによって融合生殖幹細胞を用いた生殖巣キメラ個体の作成を目指す。また、iPS細胞創出のために、鶏体細胞をモデルとして遺伝子導入ベクター構築と検討を行う。

関連する研究課題
  • 0 : 環境保全に有用な環境微生物の探索・収集・保存、試験用生物等の開発及び飼育・栽培のための基本業務体制の整備、絶滅の危機に瀕する野生生物種の細胞・遺伝子保存

課題代表者

桑名 貴

担当者

  • 橋本 光一郎
  • 今里 栄男
  • Sawicka Edyta
  • portrait
    大沼 学生物・生態系環境研究センター