- 予算区分
- AF 奨励
- 研究課題コード
- 0710AF573
- 開始/終了年度
- 2007~2010年
- キーワード(日本語)
- マリモ,阿寒湖,マイクロサテライトマーカー
- キーワード(英語)
- Aegagropila linnaei, Lake Akan, microsatellite maker
研究概要
阿寒湖のマリモは国の特別天然記念物で、糸状体→球状体→球状体の成長→球状体崩壊を繰り返す生活史を持つと推定されているが証明されていない。阿寒湖にはかつて4カ所で大きな球状体マリモが分布していたが、2カ所はすでに絶滅した。阿寒湖の球状体マリモ絶滅地を再生するには、分子マーカーを用いてマリモ個体群の遺伝的多様性を解明した上で、移植個体群を選定する必要がある。本研究ではマリモの個体群識別用分子マーカーを作成し、マリモ個体群の遺伝的多様性の解明と生活史の検証を目標とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
平成19〜20年度 国立環境研究所(国環研)において、シラルトロ湖産のマリモを材料として、マリモのDNAからマイクロサテライト領域を500個選び、その塩基配列を決定する。単離したマイクロサテライト領域の中からPCRによって増幅可能な領域を100箇所抽出する。阿寒湖畔エコミュージアムセンター(以下センター)において、阿寒湖の各個体群よりマリモの試料を採取し、それぞれの個体群ごとに純粋培養をおこない、単藻培養系統を確立・維持する。平成20〜21年度(センター)絶滅した生育地のコアサンプルを作製し、コアサンプルからマリモ遺体試料を採取する。国環研においてセンターより送付されるマリモ試料(単藻培養系統および遺体試料)よりDNAを抽出する。これらのDNAを鋳型として、前年度に開発したマイクロサテライト領域をPCRで増幅し、増幅されたDNAの多型により、個体群の同定を行う。平成21〜22年度(共同)阿寒湖におけるマリモ個体群の分布、およびそれらの遺伝的多様度を定量化し、再生計画の基礎資料とする。
今年度の研究概要
PCRによって増幅可能な領域をつかって、阿寒湖のマリモとシラルトロ湖のマリモを区別できるマーカー数を増やす。可能なら阿寒湖内の個体群を区別できるマーカーを作成する。湖内の個体群変異が少ない場合も考慮して、SNIPの利用も検討する。
備考
釧路市教育委員会 阿寒湖畔エコミュージアムセンター
- 関連する研究課題
- 0 : その他の研究活動
課題代表者
中嶋 信美
- 生物多様性領域
環境ゲノム研究推進室 - シニア研究員
- 農学博士
- 生物学,農学,生化学
担当者
-
西沢 徹