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Ad4BP遺伝子エンハンサーの解析を通じた生殖腺発生期の遺伝子カスケードの解明(平成 20年度)
Functional analysis of tissue-specific enhancer of Ad4BP/SF-1 gene.

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0708CD581
開始/終了年度
2007~2008年
キーワード(日本語)
エンハンサー,転写制御,生殖腺
キーワード(英語)
Enhancer, Transcription regulation, Gonad

研究概要

Leydig cellは雄生殖腺(精巣)における唯一のステロイド産生細胞であり、テストステロン産生を通じて雄個体の性分化において極めて重要な役割を果たしている。Leydig cellの分化にはAd4BP/SF-1が必要不可欠であることから、本研究では、Ad4BP/SF-1のLeydig cellにおける発現を誘導するエンハンサーを同定し、そのエンハンサーの解析を通じ、Leydig cellの発生過程をAd4BP/SF-1を中心とした遺伝子発現カスケードの解明を通じて理解することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

 Ad4BP/SF-1の生殖腺特異的エンハンサーの解析を通じ、生殖腺形成過程における遺伝子発現カスケードを解明することが本研究の目的である。具体的には、初年度内にLeydig cell特異的なエンハンサーを同定する。すでに我々はこのエンハンサーの候補領域を特定しているので、さらにトランスジェニックマウスを用いた解析を行うことにより、Leydig cell特異的なエンハンサーを同定するという目標は比較的容易に達成できるものと考えている。さらに同定したエンハンサー領域に関して、他の機関との共同研究によりヒト疾患における変異解析を行う。
 第2年度目以降は、同定したエンハンサーに結合する因子の決定を行うことにより、Leydig cellの発生過程におけるAd4BP/SF-1を中心とした遺伝子発現カスケードを明らかにする。さらに、新しい概念に基づいた組織特異的エンハンサーの網羅的スクリーニング系の開発を行う。

今年度の研究概要

 前年度から引き続き、Leydig cell特異的エンハンサーに結合する転写調節因子の同定、発現および機能解析(過剰発現マウス作製・発現抑制マウス作製)を行い、Leydig cell発生過程におけるAd4BP/SF-1を中心とした遺伝子発現カスケードを明らかにする。
 また、Ad4BP/SF-1遺伝子は限られた組織でしか転写されないことから、その遺伝子座は基本的にはクローズな状態であると考えられる。発現組織においてはなんらかのシグナルによってその組織特異的エンハンサー領域がオープンになると考えられる。近年の研究からクロマチンのオープン/クローズを調節しているのはヒストンH3K4のメチル化であることが強く示唆されている。このような知見をもとに、新しい概念に基づいた組織特異的エンハンサーのスクリーニング系の開発を行う。

課題代表者

馬場 崇