- 予算区分
- BD 環境-環境技術 BD
- 研究課題コード
- 0709BD451
- 開始/終了年度
- 2007~2009年
- キーワード(日本語)
- マルチプロファイリング,胎生プログラミング,影響評価
- キーワード(英語)
- MULTI-PROFILING, FETAL PROGRAMING, EFFECT EVALUATION
研究概要
数万に及ぶ化学物質について哺乳動物による毒性試験からヒトへの発ガンや慢性影響を評価する現在の健康影響評価手法には、種による生命情報システムの違いが反映されていないなど様々な限界がある。また、アレルギー疾患など旧来のリスク評価では見過ごされてきた健康影響が社会的な関心を集めている。このため、多種多様な化学物質ばかりでなく、多種多様なエンドポイントの評価が可能であり、さらに簡便かつハイスループットな毒性評価システムの構築が求められている。これまでヒト由来のガン細胞が汎用されてきたが、成体の各臓器や発育段階の感受性の高い分化した組織により近いモデルであるES細胞を使用することにより、動物実験への依存を減らし、ヒトの健康リスクを判定する際の不確実係数を最小化できる評価システムを構築する必要がある。
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:行政支援調査・研究
全体計画
(1) 細胞工学を用いた胎生プログラミング異常を検出するモデル細胞系の確立と細胞形態変化の解析に関する研究:形態計測やメチル基の修飾状態(メチル化ステータス)が容易にモニタリングできるモデル細胞を確立し、化学物質をこのデル細胞に曝露させて神経系及び血管内皮細胞への分化を解析する。
(2) マルチプロファイリングのための遺伝子発現及びメチル化ステータスの検出に関する研究:化学物質の曝露による影響を、核内のメチル化変異状態、網羅的遺伝子発現解析及び全ゲノムレベルのメチル化状態解析を実施し、マルチプロファイリングのためのデータ取得を行う。
(3)数理工学を用いた表現型情報からのマルチプロファイリングに関する研究:化学物質曝露による細胞形態変化の情報、遺伝子発現変動情報及びゲノムメチル化情報などを、ベイジアンアルゴリズムなどの数理工学的手法によりマルチプロファイリング化し影響の類型を解析する。
今年度の研究概要
本年度は、マウスES細胞から神経、血管内皮細胞への分化の形態情報と遺伝子発現情報のネットワークの統合化を行い、核内受容体作動性物質、農薬、工業製品から漏出する化学物質など各カテゴリーから代表的な化学物質について、昨年度確立した標準試験法を用いて、化学物質による影響のマルチプロファイリングを蓄積する。
備考
本研究の一部は、東京大学医学部大迫一郎助教授との共同研究として実施する。
- 関連する研究課題
- 0 : 環境リスク研究センターにおける研究活動
課題代表者
曽根 秀子
担当者
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今西 哲
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南齋 ひろ子