大気中非メタン炭化水素の成分別リアルタイム測定システムの開発に関する研究（平成 19年度）
Development of real-time moitoring system for non-methane hydrocarbons in the atmosphere

研究概要

光化学オキシダントは、工場や自動車から排出される窒素酸化物と非メタン炭化水素が紫外線を受けて光化学反応により二次的に生成されている。近年、窒素酸化物の削減が進んでいるにも関わらず、環境基準を大きく上回る高濃度オキシダントの出現が再び大きな問題となっている。その原因解明のためには、反応性の異なる個別の炭化水素濃度の情報が必要である。本研究では、非メタン炭化水素の連続ＧＣ測定と自動解析システムを組み合わせることにより、ほぼリアルタイムで炭素数２〜７の炭化水素濃度を報告するシステムの構築を目指す。

研究の性格

• 主たるもの：技術開発・評価
• 従たるもの：モニタリング・研究基盤整備

全体計画

自動大気濃縮装置とキャピラリーガスクロマトグラフを組み合わせて、非メタン炭化水素の成分別連続（毎時間）測定システムを構築する。ガスクロマトグラフデータの経験的解析手法を数式化し、C2〜C7炭化水素の同定・定量ソフトを作製する。さらに、インターネットを介したデータ転送とリモート制御の機能を付加して、観測値の即時解析を可能にすると共に長期間の安定運転を確保する。　

今年度の研究概要

大気濃縮部のバルブ切り替え・ヒータ温度・ガス流量等の完全なリモート制御とリモート監視を可能にする。さいたま市内に設置した観測システムにより、C2〜C7炭化水素の自動連続観測を長期間実施する。観測サイトから転送されるNMHCデータを自動処理し、観測結果の即時解析を行う。得られた毎時間観測データを同じ観測サイトで測られている窒素酸化物やオキシダントデータと比較する。必要に応じて分析条件とソフトの改良を行う。