- 予算区分
- BB 環境-地球一括
- 研究課題コード
- 0509BB829
- 開始/終了年度
- 2005~2009年
- キーワード(日本語)
- 長期モニタリング,高山草原,温暖化,生態系機能,気候変動
- キーワード(英語)
- LONG-TERM MONITORING, ALPINE MEADOW, GLOBAL WARMING, ECOSYSTEM FUNCTION, CLIMATE CHANGE
研究概要
チベット高原は、地球上もっとも標高の高い生態系の一つで、その気候は寒冷で変化も激しい。一方、当該高原生態系は、温暖化を含む環境変動に対して極めて脆弱である。既に、温暖化に伴う環境変動により、チベット高原生態系の構造と機能の急激な変化が報告されている。そこで本研究では、温暖化の影響が検出しやすい敏感な生態系としてチベット高原を利用し、温暖化の影響の早期検出と早期予測を目的とした。具体的な目標として、既存の研究成果と観測システムを活用しつつ、新たに同高原の代表的な生態系に観測システムを設置し、それぞれの環境変動と生態系の構造および機能の反応を長期モニタリングする。また、これらの結果から、各生態系に及ぼす温暖化の影響を解明する。さらに得られた知見とモデリングにより、チベット高原を含むアジア陸域全体における温暖化影響の予測を試みる。
研究の性格
- 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
本研究は三つのサブテーマがある。サブテーマ1では、温暖化に関連する生態系の物理環境を長期観測する。このための観測タワーを異なる特性をもつ生態系に設置し、衛星電話を利用した遠隔通信システムを構築し、日本で随時データを受信・解析する。サブテーマ2では、温暖化に関連する生態系の構造と機能の調査を行う。具体的には各生態系で温暖化に関連する生態系の構造と生態系の機能を定期調査する。サブテーマ3では、上記の長期モニタリングデータと定期調査データを解析し、チベット高原における温暖化と生態系に及ぼす温暖化の影響の早期検出を行う。さらに、得られた知見を利用して、チベット高原を含むアジア陸域全体の温暖化影響の早期予測の方法を開発する。
今年度の研究概要
(1)上記の当雄サイトと青海サイトにおいて気象環境と生態モニタリングを継続する。(2)温暖化影響を評価するための移植実験を開始する。(3)これらの観測データの解析、衛星データと関連付ける研究を始める。
備考
共同研究者:中国科学院地理学と資源研究所 Zhang Xianzhou;中国科学院西北高原生物研究所 Zhao Xinquan
当課題は重点研究分野1.(1), 1.(2)にも関連
- 関連する研究課題
- 0 : その他の研究活動(生物圏環境研究領域)
課題代表者
唐 艶鴻
担当者
-
下野 綾子