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高度処理浄化槽におけるリン除去・回収・資源化技術の開発とシステム評価(平成 18年度)
Development and evaluation of phosphorus removal and recovery system in advanced Johkasou technology

予算区分
BE 環境-廃棄物処理
研究課題コード
0608BE989
開始/終了年度
2006~2008年
キーワード(日本語)
浄化槽,生活排水,リン,資源循環,吸着脱リン法,電解脱リン法
キーワード(英語)
JOHKASOU, DOMESTIC WASTEWATER, PHOSPHORUS, MATERIAL RECYCLE, ADSORPTION-DESORPTION PHOSPHORUS REMOVAL PROCESS, ELECTROLYSIS PHOSPHORUS REMOVAL PROCESS

研究概要

 環境低負荷資源循環型の社会システムを構築するための浄化槽法改正のこれからの課題であるリン負荷削減等の新技術開発は重要な位置づけにある。この中で、環境負荷削減項目のリンは、閉鎖性地域では規制値対応施設の導入が行われつつあるが、流域に分散する合併処理浄化槽においても、流域単位でリン負荷削減対策を実行し易いリン除去・回収・資源化技術の開発と導入が最大の課題である。リンは枯渇化資源であり、リンを100%海外依存する我が国では、リン回収循環利用を図るシステムの構築が将来的な見通しから重要課題となっている。本研究では、これらを踏まえ、合併処理浄化槽を中心に、公共用水域の汚濁負荷の50〜70%を占める生活排水のリン対策として、環境低負荷資源循環型の理念を取り入れた吸着・電解脱リン法等を導入したシステム技術開発と、派生する回収リンの肥料化、工業薬品化の適正技術開発と社会受け入れ度評価に基づく適正システム構築を目途として研究を実施する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:

全体計画

 本研究では、環境低負荷資源循環型の社会システムの構築に資するリンの負荷削減の面的整備、すなわち流域単位の対策システムとして構築を図ることを目的として、吸着・電解脱リン法を中核としたリン除去・資源循環システム技術の確立化を図る。本システムは、従来の非循環型の汚泥・廃棄物へのリンの流れを資源としての流れへと変えるパラダイムシフト技術であり、国際化の進む浄化槽の発展へ大きな波及効果が得られる。また、本研究では重要なリン除去システムになると考えられる吸着脱リン法と同時に、鉄電解脱リン法で派生するリン含有物の資源化技術および適正維持管理技術の開発を行い、高度処理浄化槽におけるリンの回収資源化技術の適用化を目指す。

今年度の研究概要

 生活排水対策の高度処理浄化槽の技術開発として、土浦市等をモデル地域とした吸着脱リンシステムにおける長期的リン除去特性、維持管理特性、エネルギー特性について、春、夏、秋、冬の季節変動等を踏まえ、実証化試験により除去安定性の高い脱リンシステムの構築を図る。同時に、高度処理浄化槽においてリンを効果的に除去する方式として、吸着脱リン法と鉄電解脱リン法の両システムにおいて、リン除去のみならず資源循環を考慮した技術・維持管理技術開発とシステムの特性に応じたリン回収のためのパラメータの設定と解析評価を行う。すなわち、流入負荷条件、水温条件の制御可能な独)国立環境研究所バイオ・エコエンジニアリング研究施設を中核として実施し、リン除去性能、脱窒性能、汚泥生成能、リン含有率、リン回収特性等について適正条件を明らかにし、最適なシステムを構築する。

備考

共同研究機関:(財)日本建築センター,(株)三洋電機,フジクリーン工業(株),パシフィックコンサルタンツ(株),(財)茨城県薬剤師会公衆衛生検査センター,早稲田大学

課題代表者

稲森 悠平

担当者