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中長期を対象とした持続可能な社会シナリオの構築に関する研究(平成 18年度)
Development of mid- and long-term scenarios for sustainable society

予算区分
AG 特別研究
研究課題コード
0608AG527
開始/終了年度
2006~2008年
キーワード(日本語)
シナリオ,環境ビジョン,モデル分析
キーワード(英語)
SCENARIO, ENVIRONMENTAL VISION, MODEL ANALYSIS

研究概要

社会の持続可能性を評価することができる指標や分析の枠組を開発することを第一の目的とする。また、開発された枠組をもとに、持続可能な社会像を理論的、定量的、定性的に描くとともに、それを達成するための道筋や課題を、国際的な視点を踏まえて、環境及び社会経済の側面から整合的に明らかにすることを第二の目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

日本やアジアを中心とした発展途上国を対象に、温暖化や廃棄物、水、大気、生物といった様々な環境問題の解決や、エネルギーや食料等の安全保障、国際貿易、社会経済活動の視点から整理し、持続可能な社会のビジョンを検討するとともに、こうした社会を実現するシナリオを描く。国を対象とした分析・評価ではあるが、現実の社会においては貿易やその他の国際的な枠組による影響を強く受けることから、アジアを中心に国際的な視点を踏まえた分析も行う。
これまでにとりまとめられてきた持続可能な社会の概念や環境・社会を評価するための指標の整理を行い、それらを用いて将来の持続可能な社会のビジョン、シナリオを検討する。また、国際間の協調枠組のあり方を検討したり、貿易に関わる施策(自由貿易や地域経済統合)が環境にどのような影響を及ぼすかといった分析を通じて、国際関係の視点から持続可能な社会の実現について評価を行う。また、これまでに構築してきたモデルの活用を通じて、理論的側面の検討を行うとともに、定量的、定性的に分析し、科学的な合理性、整合性を確保した将来像や対策の効果を描く。さらに、ビジョン・シナリオを描く作業を進める中で、持続可能な社会の構築に欠かせない主因子に関する理解を深め、将来行うべき環境・社会に関する研究課題を抽出する。

今年度の研究概要

(1)持続可能性の定義と評価のための指標開発
持続可能な社会を構築するにあたり、対象となる環境問題の抽出と、評価のための個別の指標、社会全体を評価する指標の開発を行う。平成18年度は、既存の「持続可能性」に関する概念や評価項目、評価指標の収集、整理を行う。
(2)持続可能な世界を実現するための国際協調枠組み構築
持続可能な発展を目指した国際的活動がCSDを中心に継続している。他方、個別環境問題を対象とした条約の下でも、関連制度が構築されつつある。そこで、本サブテーマでは、持続可能な世界を目的とした国際制度を評価し、より理想的な形態に近づくための提言を行う。食料およびエネルギー安全保障、環境の変化への適応、途上国問題と我が国の対応、といった側面から問題解決を図る枠組の提示を行う。平成18年度は、環境条約関連のデータ収集及びデータベース構築する。
(3)貿易と環境
世界各国のデータを活用して、これまでの貿易が環境負荷にどのような影響をもたらしているのかを検証し、持続可能な社会の構築という視点から貿易の役割、あり方について分析を行う。平成18年度は、分析のための各国データの収集とデータベースの構築、及び理論的フレームワークの構築を行う。
(4)統合評価モデルを用いた持続可能な社会ビジョン・シナリオの定量化
既存のモデルに、サブテーマ(1)で整理される指標を組み入れて、複数の環境問題を対象に、サブテーマ(5)で示されるビジョンの持続可能性について、定量的な評価を行う。また、定量化とともに、理論的な背景を説明する。平成18年度は、既存モデルの改良を行う。
(5)持続可能な社会のビジョン・シナリオ作成
上記のサブテーマを統合する形で、持続可能な社会の像を描き、その実現に至る道筋を定性的に評価するとともに、定量化が可能な部分については定量的に分析する。また、持続可能な社会の実現に向けた研究課題の抽出を行うことで、今後の環境研究課題について議論する。平成18年度は、既存ビジョン・シナリオのレビュー・整理・分析を行う。

備考

環境省・超長期ビジョン・シナリオ研究と連携して行う。
共同研究者:馬奈木俊介(横浜国立大学経営学部)

関連する研究課題
  • 0 : 社会環境システム研究領域P

課題代表者

原澤 英夫

担当者