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小笠原における河川環境の劣化と固有種の減少要因の推定に関する研究(平成 18年度)
Study on adverse effects of habitat degradation on the distribution of endemic freshwater species in the Bonin Islands

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0607AF452
開始/終了年度
2006~2007年
キーワード(日本語)
小笠原諸島,絶滅危惧種
キーワード(英語)
BONIN ISLANDS, ENDANGERED SPECIES

研究概要

海洋島である小笠原諸島の河川の生物種についての分布調査を行い、絶滅の危惧される固有種がレッドリストに載り、ひいてはレッドデータブックに登録されるために必要とされる項目についてとりまとめる。特に、分布域とその動向、あるいは存続を脅かしている原因やその時代的変化などについて把握に努め、今後それらの生物種の保全策に資することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

平成18年度は母島の河川に生息する2種の固有種、平成19年度は父島に生息する2種の固有種とその生息環境に着目して、本研究を遂行する。河川環境の劣化にはさまざまなケースが想定されるが、もともと水過剰量の少ない小笠原諸島では降水量の減少およびその結果としての水不足は固有水生生物にとって致命的な要因となる可能性がある。また、移入種による直接的な捕食や環境形成作用による生息の場の喪失も重要な要因になると考えられる。固有種の減少要因となる降水量の減少傾向や水不足量の経時変化、および河川などにおける移入種捕食者の分布を把握し、併せて移入植物による固有種の生息の場の喪失の可能性について検討を行う。

今年度の研究概要

母島の河川では固有種の陸水エビなど甲殻類2種の生息密度の減少が著しいが、環境要因の近年の変化を把握するために降水量など既存の地上観測値を整理する。固有種が生息する水系の河川などにおいて移入種捕食者(カダヤシ、グッピーなど)の分布調査を行い、近年の減少傾向と照らし合わせる。移入植物が河床を覆うなどして底質環境を改変している可能性が考えられるので、固有種の流程分布と流速などの環境要因に加えて移入種の被度等を変数とする解析を行う。

備考

共同研究者:佐々木哲朗(NPO法人小笠原自然文化研究所)

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動(生物圏環境研究領域)

課題代表者

佐竹 潔