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生物学的栄養塩類除去プロセスにおける同位体解析を導入した微生物ループの解明(平成 17年度)
Elucidation of mechanism of microbial loop by use of isotope tracer in biological nutrient removal process

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0507CD531
開始/終了年度
2005~2007年
キーワード(日本語)
微生物ループ, 分子生物学的解析, 同位体解析, 生物学的窒素除去プロセス, 生物学的リン除去プロセス
キーワード(英語)
MICROBIAL LOOP, MOLECULAR ANALYSIS, ISOTOPE ANALYSIS, BIOLOGICAL NITROGEN REMOVAL, BIOLOGICAL PHOSPHORUS REMOVAL

研究概要


水処理システムとしての活性汚泥法,生物膜法等を効率的かつ安定的に運転・管理する上では,処理性能を左右する重要な微生物の挙動および捕食-被食関係を踏まえた上での物質フロー等の機構解明が不十分であることが指摘されている。その原因は,栄養塩類等の細菌群への取り込み,食物連鎖による原生動物・微小後生動物への取り込みなどの微生物ループにおける相互作用を解明する手法が極めて未熟であり,取り残された課題であったことに起因している。
本研究では上記の点を鑑み,微生物ループの解明における課題である微生物個体群と物質フローの同時解析を可能とするため,放射性同位体(RI)および安定同位体(SI)で微生物の資化性基質を標識し,その基質を取り込んだ微生物を認識するSIP法(SI標識活用)とMAR−FISH法(RI標識活用)を導入する。このことにより,有機物除去,窒素除去,リン除去等の高度処理プロセスにおける処理機能を担う有用微生物群の機能強化を目指した微生物ループのメカニズムの解明を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画


本研究では,食物連鎖系としての微生物ループの機構解明を図る上での重大な課題である微生物個体群動態と物質フローの同時解析技術の確立において,遺伝子解析とRI,SIを組み合わせた導入技術の適用性評価を行うため,硝化細菌,脱窒細菌,リン蓄積細菌等の窒素・リン除去プロセスを担う有用微生物と捕食者との捕食-被食モデルを構築する。また,この捕食-被食モデルにおいて,放射性同位体(RI)で微生物の資化性基質を標識し,RI管理区域内に設置した顕微鏡により基質を取り込んだ微生物の基質資化特性(活性)を高感度に検出・視覚化することによりin situで評価解析可能な微生物ループの解明を可能とするMAR-FISH法,安定同位体(SI)で微生物の資化性基質を標識し,その基質を取り込んだ全ての微生物を主要設備として挙げた超遠心分離機,LightCycler,DNA Sequencer等により遺伝子レベルで同定・解析可能な微生物ループの解明を可能とするSIP法による,標識基質の細菌間および捕食者へのフローを明らかにするための標識基質の質・量,および最適暴露時間等の確立および適用性評価を行う。さらに,食物連鎖系に導入する解析技術の適用性を踏まえた上で,捕食-被食モデルを発展させ,活性汚泥等の複合系での食物連鎖系としての微生物ループの検証を行うとともに,嫌気-好気回分式活性汚泥法,担体流動生物膜法等を対象として,温度条件,濃度条件,水量条件,嫌気-好気条件等の環境条件・運転操作条件の変化に対し,各微生物群の動態および炭素,窒素,リンの動態変化を解析し,微生物ループの機構の変化と処理性能の関係を明らかとし,プロセスの機能向上化を図る。

今年度の研究概要


生物学的栄養塩除去プロセスにおける食物連鎖系としての微生物ループの機構解明を図る上での重大な課題である微生物個体群動態と物質フローの同時解析技術の確立を図る。特に,生物学的窒素除去プロセスおよびリン除去プロセスにおける有用微生物群を対象とした検出・同定・定量化と同時に,放射性同位体(RI),安定同位体(SI)を用いた基質資化特性の評価において重要な生物固定条件,反応条件等の確立化を行う。

備考

共同研究機関:早稲田大学理工学術院理工学部,筑波大学大学院生命環境科学研究科

課題代表者

蛯江 美孝

  • 資源循環・廃棄物研究センター
    国際廃棄物管理技術研究室
  • 主任研究員
  • 博士 (農学)
  • 生物工学,化学,土木工学
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