- 予算区分
- AG 特別研究
- 研究課題コード
- 0406AG399
- 開始/終了年度
- 2004~2006年
- キーワード(日本語)
- 湖沼,有機物,リンケージ,反応性,化学組成
- キーワード(英語)
- LAKE,ORGANIC MATTER,LINKAGE,REACTIVITY,CHEMICAL COMPOSITION
研究概要
本研究の目的は、湖水有機物(溶存有機物[DOM]と粒子状有機物[POM])等の化学組成(DOM分画分布、糖類組成、アミノ酸組成、分子量等)情報から続成状態(分解状態)や起源を評価する手法を開発し、湖水柱および底泥中におけるDOMや難分解性DOMと微生物群集との連動関係(リンケージ)を重点的に評価して、湖水において難分解性DOMが蓄積する仕組みや主要発生源を明らかにし、流域発生源対策の新たな提言を行うことである。
全体計画
本研究の全体としての流れは、(1)有機物(DOM等)の化学的組成を測定・分析する手法を開発・確立する(H16〜H17)、(2)多くの様々なサンプル(保存サンプル+新規採取サンプル)の化学組成を決定して、化学組成と分解状態(難分解性化)ポテンシャルや起源との関係できる手法を開発・確立する(H16〜H17)、(3)重点的に湖水柱や底泥におけるDOMの生産や反応性(難分解性化)、微生物群集との連動関係(リンケージ)を明らかにする(H16〜H18)、(4)さらに、点検的な富栄養湖で水道水源である霞ヶ浦を対象として、既存の流域モデルと湖内流動モデルを使って、難分解性DOMの季節的・場所的変化および主要発生源の寄与を明らかにする(H17〜H18)、(5)最終的に、流域発生源対策の効果をモデルにより評価して、湖沼環境改善のための流域・湖内発生源対策のあり方・方向性を提言する(H18)。
今年度の研究概要
DOM分画分布、DOMやPOMサンプルのC/N比、糖類組成とアミノ酸組成、安定同位体比等を測定する手法を開発・確立する。同時に、有機炭素(TOC)として分子量を測定できるサイズ排除クロマトグラフィーシステムの開発を検討する。
湖水、河川水、起源の明白な有機物発生源の様々なサンプルおよび分画サンプル(フミン物質や親水性酸等)を対象として、微生物分解実験を実施して、化学的組成やサイズと分解性(反応性)のリンケージを検討する。
室内実験とフィールド調査によって、底泥や底泥間隙水おける有機物の組成、分解性および溶出量のリンケージや湖水柱でのプランクトン等の有機物の組成、分解性および反応経路のリンケージを検討・評価する。同時に湖水中および底泥中の微生物群集構造とDOMの反応性の相互関係を把握する。
霞ヶ浦を対象する湖内流動モデルに底泥溶出プロセスを組み込む。